成熟市場でヒットする商品の成功のカギは? ビール逆境時代に注目を集める定番ビール

ビール離れは本当に進んでいるのか?
いま若者を中心にビール離れが進んでいると言われる。実際、ビール系飲料の出荷量は13年連続で減少中だ。しかし、一方で売り上げを伸ばしているビールも存在しているという。本当にビール離れは進んでいるのだろうか? いま消費者が本当に求めているビールについて考察してみる。
2017年のビール系市場の出荷量は16年比で2.6%減と13年連続で減少。1992年の統計開始以来、過去最低を更新した。こうした原因は若者を中心としたビール離れが進んでいることに加え、17年6月からの酒の安売り規制による店頭価格の値上がりが響いたことが大きな要因となっている。ビール系飲料は現在、麦芽の使用比率や使う原料によって分類されており、ビール、発泡酒、新ジャンル(第三のビール)のいずれの分野も前年を下回るのは2年連続になるという。
これまでビール系市場は、メガブランドを冠する主力のビールから、世の中の低価格指向に伴い、発泡酒、新ジャンルとカテゴリーを拡大してきた。だが、将来の酒税の一本化によって低価格化に歯止めがかかろうとするなかで、実は「情緒的に充足してくれること」や「食事を邪魔しない」という面でも“スタンダードな味”はあらためて注目されているようだ。


