
代表取締役社長の串間和彦氏は「最先端技術をお客様が気軽に利用できる仕組みを提供したい」と語る。
企業においてはITをどうビジネスに活用すべきか。串間氏と、ITのエバンジェリスト(伝道師)として活躍する日本マイクロソフト業務執行役員の西脇資哲氏が話し合った。
Kazuhiko KUSHIMA
NTTテクノクロス 代表取締役社長
1980年京都大学工学部卒、同年日本電信電話公社(現NTT)横須賀電気通信研究所入社。2009年情報流通基盤総合研究所サービスインテグレーション基盤研究所長、12年サービスイノベーション総合研究所長、14年NTTソフトウェア取締役、15年常務。17年4月より現職。
串間 西脇さんは、まさにエバンジェリスト(伝道師)として、ITの普及・啓発活動なども積極的に行っていますね。
西脇 マイクロソフトの製品に限らず、AIやIoTなどが社会にどのような影響を与えるのかといったことをわかりやすく伝えるのが私の役目だと考えています。貴社はテクノロジーに特色のある3社が合併・統合して発足したところが面白いところです。
串間 3社が合併・統合をして2017年4月に当社は発足しました。NTTテクノクロスの誕生により、従来から得意とする音声・映像などのメディア処理技術やAIなどの知的処理技術、さらにこれらに関連するIoTやセキュリティなどの分野において、強みのあるソリューションやサービスをワンストップで提供できるようになりました。
西脇 最新のITトレンドもウォッチしていますが、ビッグデータやクラウド、AI、IoTなどの利用についても、かつては先進的な大手企業だけのものだったのですが、最近では、中堅・中小企業でも手軽に利用できるようになっていますね。そうした流れからも貴社への期待は大きいと思います。
串間 AI、IoTなどさまざまなソリューションについて引き合いをいただいています。このほか、働き方改革の観点で当社のソリューションを活用したいといったご相談も増えています。
西脇 働き方改革を実現するためには、いつでも、どこでも、どのデバイスでも業務ができることが大切です。ただし、自宅など社外で業務を行う場合には特に、情報の安全性の確保などについて、より高い意識を持つ必要がありますね。
串間 そうですね。情報セキュリティ事件により、経営者の責任が問われる事例も見かけますので、働き方改革を進めるうえでも、セキュリティ面のインフラ強化は重要と言えます。
西脇 スマートフォンの普及などに伴い、メール、SNS、電話など、コミュニケーションのあり方も多様化していると思います。私は「フロー型のコミュニケーション」と「ストック型のコミュニケーション」と呼んでいるのですが、SNSなどのように流れていくものもあれば、メールのように一定期間保管されたり、検索されたりするものもあります。多くの人が両者を使い分けているのです。その中で、やはりビジネスの現場ではメールが重要な連絡手段であり、なくなるということはないと思います。
Motoaki NISHIWAKI
日本マイクロソフト エバンジェリスト・業務執行役員
1969年生まれ。岐阜県出身。96年日本オラクルに入社、マーケティング、エバンジェリストなどで活躍。2009年マイクロソフト(現・日本マイクロソフト)に入社。同社の製品・サービスのみならず、インターネット、AI、IoTなどさまざまなテクノロジーに精通する。
串間 メールのセキュリティ面で言えば、送信先を誤り第三者へ情報が流出するメール誤送信などの人為的なミスが多いようです。そうした課題解決のために当社では、人間工学に基づいてメールの誤送信を防ぐ「CipherCraft/Mail 7(サイファークラフトメール)」を提供しています。このツールでは、メール送信時のポップアップ画面で送信内容を再確認させたり、初めて送る宛先には送信時のボタンを警告色にしたりといった機能を備えたり、どなたでも直感的に操作が行えるインターフェースを採用しています。
西脇 人間だから起こしがちなメール誤送信のリスクを、テクノロジーがヘッジしているのは興味深いですね。CipherCraft/Mailは、マイクロソフトのOffice 365やOutlookを使用しているユーザーはメールソフトを変えるのではなく、そのままアドインで使えるので、導入もしやすいです。また、Azure(Microsoft Azure)上で動作可能となり、Office 365との親和性が高いのも特徴ですね。
串間 AIを活用し自動チェックをする機能や、パターンを解析してアラームをあげるような仕組みの開発などを今後していき、メール誤送信によるセキュリティ事故を減らしていきたいと考えています。しかし、ただ開発をしていくのではありません。課題を抱えている企業にどうしたら役に立っていただくのか、企業の課題に踏みこんだAI活用・開発をしていきたいと思います。
西脇 今後はさらにITで行うべきことと人間がやるべきことが分かれるでしょう。ルーチン的な「作業」であればAIやロボットに任せればいい。それにより人間は付加価値を生む「仕事」に注力できるようになります。そして作業による人為的なミスも防ぐことになります。その点では、AIやロボットは人間の仕事を奪うのではなく、やりがいのある仕事とビジネスチャンスをもたらすものだと考えています。
串間 先端技術は押しつけるようなものであってはならないと思っています。導入をして以前よりも大変になったということにならないように企業の課題などにあわせて提案していき、後ろにすごい技術があることなど分からない内に課題解決に導けたらと思います。当社はお客様に高付加価値なサービスを提供することで、お客様の競争力向上のお手伝いをしていきます。