「くまのパディントン」英高速列車の愛称に 車両に名前を付けるのが英国流だった

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愛称命名式には、「くまのパディントン」がおなじみの青いダッフルコート姿で登場した(Photo by Jack Boskett/GWR)

高速車両に愛称「くまのパディントン」と命名――。英国ロンドンから西に延びる鉄道を運営するグレートウェスタン鉄道(GWR)はこのほど、新たに投入されたインターシティ・エクスプレス・トレイン(IET)の1編成に、童話『くまのパディントン』の舞台であることから、こんな愛称をつけた。

もう片方の先端部には、同作品の作者であるマイケル・ボンド氏の名が刻まれている。

童話の主人公が鉄道車両の愛称となるのは、イギリスでも異例だ。しかも、パディントンの姿と足型のイラストがそれぞれ愛称の横に描かれている。今後、世界中のパディントンファンたちの注目を浴びることは間違いないだろう。

ペルーからやって来た「くま」

『くまのパディントン』は、「暗黒の地ペルー」から密航者としてオスの熊一頭がパディントン駅へたどり着くところから物語が始まる。

5両目の先端には足形とともに“Paddington Bear”の文字が刻まれた(Photo by Jack Boskett/GWR)

駅の遺失物取扱所の郵便袋の陰でちょこんと座っていたところを、その後居候することになるブラウンさん一家が発見。その時、オス熊は「このくまをよろしくお願いします」という札を下げていた……。

これが最初の経緯だが、そもそものモチーフは作者のボンド氏が1956年のクリスマス・イブに妻へのプレゼントとして買った熊のぬいぐるみがモチーフとなっている。当時、ボンド夫妻がパディントン駅近くに居住していたことからそのぬいぐるみにパディントンと名付けたことが物語を作る契機になった、とされている。

日本の鉄道界では特急列車に愛称をつけて、その列車の行き先やサービスを区別している。また、私鉄特急では列車名と車両愛称が同じといった事例もある。

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