先輩就活生が悔やむ「こうしておけば」反省点 インターン不参加でこんなに乗り遅れるとは

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インターンシップが就活に有利に働くことはデータからも読み取れる。HR総研の2017年6月調査(対象者数178社)によれば、約半数が「インターンシップの参加者のうち、優秀な学生は考慮する」、約3割が「インターンシップ参加者には採用情報を提供する」となっている。「インターンシップ参加者だけを選考対象にする」も1割弱あった。

ただし、参加しすぎたと反省する学生も、たまにはいる。「インターンシップを受けすぎた。SPIをもっとやればよかった」(早慶クラス・文系)。

「インターンシップ」という呼称で実施されるイベントの中身は単一ではない。日本私立大学連盟(私大連)は、昨年11月に「ワンデーインターンシップ」という呼称の廃止を求める提言を公表している。本来のインターンシップは、学生の成長のための就業体験の場であるはずだが、短期のインターンシップの内容は単なる企業説明会であることもあり、「学生に無用な混乱と負担を招いている」と私大連は批判する。

企業の”現実と建前”にいらだち

今回の調査でもインターンシップの中身に驚く学生がかなりいた。

「3月になり、行きたい企業に出会ったとき、すでにインターン生などが選考に進んでいたり、採用担当者の方と仲よくなっていたりと、自分はその子たちと比べて遅れていると感じたとき、もっと早くから企業研究を行い、インターンに参加すればよかったと思った」(その他国公立・文系)
「インターンシップと掲載されていたのに、実質選考だったことに驚いた。ちゃんとホームページに『選考』と書いていてほしい」(上位私立大・文系)
「インターンシップから選考が始まっていることが意外だった。夏のインターンに積極的に応募すべきだった」(早慶クラス・文系)

選考を伴うインターンシップを批判する大人は多いが、学生はそんな価値判断をしていない。

「選考につながるインターンシップをもっと知っていれば受けたかった。私が参加したインターンシップは、インターン生優遇が特にないものだった」(旧帝大クラス・文系)
「インターンシップが内定につながる企業をリサーチして参加すべきだった」(上位私立大・文系)

このような声からわかることは、「インターンシップ=選考」を学生はむしろ歓迎していることだ。学生の苛立ちは「表面上だけ経団連の取り決めを守るのをやめてほしい」(上位私立大・理系)のように、企業の採用活動の建前と現実が乖離していることにある。

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