ビットコインの価格はいずれ10分の1になる 「強気の3人組」が仮想通貨の未来を予測する

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そのような流れの中で今、さまざまな仮想通貨があり、それぞれがいろいろな思惑を持って動いているわけですよね。こうした一つひとつの思惑には、非常に投機的な動きがあると思いますが、10年、20年単位の年月をかけて、最終的には「フィンテックの新しい大きな流れ」というところに収れんしていくでしょう。

その際、どの仮想通貨が「勝ち組」になるのかとか、仮想通貨自体が将来、どういう仕組みで運用されるようになるのかというのは、今の時点では誰にも予見できません。そういう意味でも、やはり仮想通貨は投機だと思います。

しかし、これまでの歴史を見ても、投機というのは必ずその次に大きな花を開花させるものです。ですから、ビットコインが何分の1かに大暴落したとしても、すぐにそれに続く通貨が出てくると思います。

仮想通貨は「デジタルダイヤモンド」のようなもの

阿部:僕も価格の連動だけを見ていると今の値段は10分の1になるだろうなというふうに思いますが、武者さんのおっしゃる通り、ビットコインというのは、マーケットにすべてを委ねていると言ってもいい、最も「市場オリエンテッドな貨幣」なんですよね。

個人が個人を認証し、それらがセキュリティを保持するというのがブロックチェーンですが、ビットコインなどの仮想通貨は、この最新のテクノロジーによって支えられています。だから、仮想通貨が将来、ものすごく大きな力でマネーの世界を変えていくということは、間違いないと思います。

松本:日経平均に関しては、私、お二人と似たイメージを私持っているんですけれども、ビットコインは随分違う把握をしています。仮想通貨というのは言ってみれば“デジタルダイヤモンド”みたいなものですよね。つまり、ダイヤモンドは「買いたい人」がいるから、高い値段がついていて、ダイヤモンドで決済というのも、しようと思えばできないことはありません。そういう意味では、仮想通貨もダイヤモンドも同じようなもので、今ついている値段が「適正価格」ということもできると思います。

何を持ってバブルと言うのかは難しく、そこにはいろいろな考え方があると思うのですが、仮想通貨の時価総額がこれだけの金額になると、投機的なおカネがそこに抜けているように見えるんですよ。2017年の夏くらいから、株式市場や貴金属市場で動いたおカネが、ビットコインなどの仮想通貨市場に抜けている。それがある意味で、株式など伝統的な市場にとってのガス抜きになっているという感じがしています。

金融緩和の影響もありますが、株式市場は今、世界的にボラティリティが低いまま、何となく上昇していく相場です。その要因となっているのが、実は仮想通貨なんじゃないかとも思っています。そんな視点からも、仮想通貨市場に引き続き注目していきたいですね。

(2017年12月末に行われた鼎談を独自にまとめたものです。マネックス証券のHPにある動画で全内容を見ることができます)

大住 奈保子 編集者・ライター

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おおすみ なほこ / Nahoko Osumi

1984年、京都府生まれ。大阪市立大学文学部哲学歴史学科卒業。出版社勤務を経て2015年にフリーの編集者・ライターとして独立、2017年に株式会社Tokyo Editを設立。現在代表。マネーや経済、ビジネスなどのテーマを中心に、企業の集客に役立つコンテンツを制作する。『ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業』(冨田晃右・ぱる出版)をはじめ、投資関連書籍の取材・制作協力実績も多数。

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