できる人はデータ分析の本質を知っている 「整理」するだけと「分析」するのは大違い

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「データ分析」や「統計学」と聞いて、どんなイメージを持たれますか?
「難しそう」「興味はあるけど、イマイチ勉強の仕方がわからない」「勉強はしてみたけれど、結局仕事で使っていない」など、あまりポジティブでないイメージを持たれる人は少なくないでしょう。ただ、データをうまく活用すると、ビジネスをうまく回すための強力な武器になります。東洋経済の研修講座「戦略的データ分析活用講座」で講師を務める柏木吉基氏がデータ分析の本質について解説します。

情報システムやツールが発達した今では、業績や商品の売り上げ、販売数など大量の情報が手に入り、競争力を維持するためにはこれらを効果的に扱うことが求められます。それらの情報をわかりやすく、瞬間的に理解する助けになるのがデータです。

ところが、データを現状把握のためだけで終わらせてしまい、データを活用しきれているとは言えないケースがほとんどです。例えば別のデータ同士を比較・分析することで、現在抱えている課題の背景や要因など新しい情報を引き出すこともできるにも関わらず、そのレベルに至っていないのです。

ビジネスや実務で威力を発揮するデータの特徴の一つが客観性です。データは客観的な情報なので、言葉を中心としたコミュニケーションよりも具体性と説得力を持つところにあります。つまり、データを活用することで、仕事における関係者とのコミュニケーションや交渉がうまくいきやすいわけです。

データを活用する業務は、会社でのポジションが上に行けば行くほど増えていきます。リーダーや管理職、あるいは経営者として成果を上げたい人ほど「データ分析」のスキルが必須なのは間違いありません。

必要なのは適切な課題設定と仮説

「データをうまく操作することさえできれば欲しい答えが見つかる」

このように考えている人が後を絶ちません。ところが、このようなケースは皆、欲しい答えにたどり着けず、悶々としたまま諦める結末を迎えます。

これを解決すべく、更なる分析手法や統計学の範囲やレベルを上げて学ぼうとすると、やはりこの問題が解決できない事実に直面することでしょう。

「気が付くと、現状や結果を示すグラフだけが量産されていた」

という状況は多くの人が身に覚えがある状況ではないでしょうか。私はこれを「データ分析」ではなく、「データ整理」と定義づけています。

データは自動で答えを提供してくれるものではありません。

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