「所有から利用へ」創造的破壊の始まり サブスクリプション最新動向
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共催 Zuora Japan、東洋経済新報社
特別協賛 三井情報
オープニングスピーチ
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サブスクリプション・マネジメント・プラットフォームを提供するZuora日本法人の桑野順一郎社長は「定額制音楽配信が浸透し、ソフトウエアもライセンス販売からサブスクリプションへシフトしている」と指摘。ジェット機からスナック菓子まで多様な導入事例を紹介した。
Keynote
サブスクリプション・エコノミーによる
破壊的イノベーションと成功の鍵
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ZuoraのTien Tzuo・CEOは大量生産・販売のプロダクト・エコノミーは過去のものとなり、新興デジタル企業の創造的破壊によって、この15年でフォーチュン500社の半分が消えたとして「最高の製品に仕上げ、多チャネルで売る従来の考えでは成功率は低い」と述べた。市場が縮小する音楽業界でも、配信は伸びていることを指摘。既存企業は、製品に搭載したセンサーデータやIDにひも付けられた顧客情報を活用し、一過性の顧客を継続的なサブスクライバーに変えることが収益機会増につながるとした。サブスクリプション・エコノミーの成長のカギは、継続的に顧客に価値を提供し、1日でも長く利用してもらうことにあり、柔軟な価格付けとパッケージング戦略が重要。「企業は製品中心のサイロ化された組織から、顧客中心の組織、仕事のやり方に変えるべき」と述べ、同社が、この新たなモデルに適したシステム、コミュニティを提供し、変革を支援すると訴えた。
海外事例講演
Industrial IoT in the Subscription Economy
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GEのGytis Barzdukas氏は、米国企業を中心に、IoTによる産業機器のスマート化を進めるインダストリアル・インターネット構想に触れた。GEは、その基盤システム「プレディクス」を提供し、現実の機器の状況をバーチャル世界で再現する「デジタル・ツイン」のアプローチによる新たなビジネスモデル創出を提唱し、航空機エンジン、発電所などさまざまな領域で、稼働率、効率性向上の結果を出している。このインダストリアル・インターネットの推進には、カスタマー・エンゲージメントを強め、ビジネスモデルをサブスクリプション型に変える必要性を強調。Zuoraなどのパートナーのシステムとも連携することで「われわれの事業は従量型のプライシングが中心になっている」と述べた。
特別講演
進化するビジネスに対応する
『経営とシステムの関係』とは
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Zuora代理店の三井情報、小日山功氏は、サブスクリプション・ビジネスへの転換で「顧客は契約期間中、必要なものを必要な時に必要なだけ使え、企業側は継続して利益を得て経営安定につながる」と双方のメリットを指摘。その推進には、顧客データでニーズをつかみ、迅速に経営が意思決定するため、記録のシステムSoRとつながりのシステムSoEの連携が大切と強調した。ただ、従来の物販・役務提供型ビジネスモデルでは対応が難しく「当社が国内で初めて自社導入したZuoraが、サービス提供開始の迅速さと、システムの柔軟性に優れていたことから、国内のお客様に紹介したいと考えた」と説明。CRMベンダー等のパートナーと連携し、同社の実績豊富なSoR領域のシステム提供と合わせて支援したいと述べた。