遠藤保仁が「ルーティン」をもたない深い理由

「今、この瞬間」に集中するための思考

また、闘争心を表に出すどころか、試合中に笑うこともあるので、人によっては「気合いが足りない」「もっと本気でやれ」という印象を与えるときがあるかもしれませんが、これも僕は冷静さを失わないために、あえてプレー中でも笑顔でいることを心掛けるよう意識しているからなのです。

苦しいときやうまくいかないときに一度、笑ってみると、自然と冷静になれるものです。そのメカニズムまではわかりませんが、笑顔になることで心に余裕が生まれて、視野が広くなる感覚があります。

また、笑顔を見せることで、心理面で敵チームより優位に立てるというメリットもあります。後半の正念場ともいえる時間帯に笑っていたら、「あいつ、まだ余裕があるのか。やばいな」と敵の選手は思うのではないでしょうか。逆に、イライラしている顔や疲れている顔を見せたら、「あいつは余裕を失っているからチャンスだ」と敵に思われ、不利な状況に陥りかねない。試合中にミスをしたときも、落ち込んで次のプレーに影響が出るくらいなら、あえて笑顔をつくって思考を切り替えたほうがいいというのが僕の考え方です。

つらいときほど笑顔を意識してみる

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サッカーでは、いかに個人のミスをチームでカバーできるかが勝敗を決めるといえます。組織力があるチームは、ミスをお互いにカバーし合っているものです。失敗してヘラヘラしているようでは困りますが、周囲は「いいよ、気にするな」「ナイストライ」と声をかけてあげて、それに対して失敗した本人も笑顔を見せて気持ちを切り替えて次のプレーに集中する。そんなチームだからこそ、みんなが最後まで、全力で、冷静に戦うことができるように思います。

ビジネスの世界や人生でも同じではないでしょうか。疲れた顔やイライラした表情をしていたら、その人のまわりに人も情報も集まってこないはずです。反対に、いつも明るく振る舞っていると、何かと助けてもらえたり、チャンスとなりうる誘いの声をかけてもらえたりする、そんな気がします。また、そんなことは当たり前だと思われているため、多くの方々が見逃しがちなのも事実です。ですから、最初は慣れないので大変かと思いますが、つらいときほど笑顔を意識してみてはいかがでしょうか。

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創業43年のマイクロソフト。日進月歩のIT産業では古株。もはや時代遅れとの声も聞こえていた同社があらためて評価されている。革新をやめないテックの巨象をリポート。