20~30代が出世を望まなくなってきた本質

「わたし、管理職になりたくありません」

でも、そういって若者を説得できるでしょうか。

問われているのは、管理職という存在だけ?

この若者の価値観の変容は、時代の大きな変化と連動しています。バブル崩壊以降に見せてきた人と組織との関係の崩壊は、企業社会に依存する人生の怖さと難しさを若者たちに植え付けてしまいました。情報技術の進化によるボーダーレス化は、フラットに人とつながる行動原理を育んでいます。教育システムも紆余曲折しながらも、社会の問題と向き合える人づくりが徐々に進んでいます。

『“誰も管理職になりたくない"時代だからこそ みんなでつなぐリーダーシップ』(実業之日本社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

若い人たちはすでに、これまでの多くのしがらみ、枠組みから解き放たれて、人生を豊かに生きていく、自分らしく生きることを模索し始めています。ところが企業に入ると、思いや夢を聞かれることも、ボーダーレスにつながることも、社会のために意味あることをしようという意志も感じられなくなる。目の前の業績を出すことに追い立てられ、組織の論理に振り回されていく。その象徴的存在が、管理職なのです。

管理職を魅力的な存在に変えられるのか、若手の価値観や意識を変えるのか、あるいは管理職という存在を軸に動かしてきた企業システムそのものあり方を根幹から変えるべきなのか。少なくとも、このままでは今の管理職を中心にしたマネジメント構造を維持するのは難しくなるでしょうし、自らリーダーシップをとる人も生まれなくなります。

今、管理職を軸にしてきた組織マネジメントのあり方が、根幹からの「問い直し」を迫られているのです。

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