JT、「加熱式たばこ」の増税案浮上で募る不安 寺畠次期社長は「巻き返す」と強調するが・・・

拡大
縮小
2017年7月に発売されたJTの加熱式たばこ「プルーム・テック」。フィリップ モリス ジャパンの「アイコス」に1年以上の後れを取って、ようやく投入された(写真:今井康一)

ようやく投入された日本たばこ産業(JT)の製品に“冷や水”が浴びせられようとしている。

今年7月、都内約100店舗で加熱式たばこ「プルーム・テック」を発売したJT。2018年前半には全国での販売を予定している。宮崎秀樹副社長は「当初は19年末までに約500億円の投資を予定していたが、1年前倒しして製造設備を中心に投資し供給能力を上げていく」と意気込む。

紙巻きたばこの販売数量は激減

加熱式たばことは、たばこ葉を加熱するなどし、発生した蒸気を吸引するもの。

紙巻きたばこの販売数量は、1996年度のピーク時に3483億本だったが、16年度には半分以下の1680億本に激減。こうした中、たばこメーカー各社は加熱式たばこに活路を見いだそうとしている。

加熱式たばこ市場では現在、フィリップ モリス ジャパンが販売する「アイコス」が独走。一方、JTは需要予測を誤り、アイコスに1年以上の後れを取って、ようやくプルーム・テックの投入にこぎ着けた。

自民党の税制調査会では18年度の税制改正でたばこ増税が検討されている。紙巻きたばこは3年かけて1本3円増税する案が軸。そもそも紙巻きたばこは本数に応じて課税される。現状、1箱440円(20本入り)の場合、たばこ税(約244円)と消費税(約32円)がかかっている。

次ページ加熱式たばこの税負担額は?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT