どの業界も大手4社に集約される大再編時代

2018年に起きる変化の予兆を見逃すな!

日本は今、人口減少という大きな問題を抱え、国内市場も成長期から成熟期へ移行しようとしている。そうした中、多くの企業が国内での戦いに消耗し、業績も伸び悩んでいる。では、その先には何が待っているのだろうか。それは業界再編だ。それもあらゆる業界に広がっていくと予測されている。私たちはこの大再編時代にどう対応すべきなのだろうか。新刊『業界メガ再編で変わる10年後の日本』(小社刊)の著者である日本M&Aセンター執行役員業界再編部長の渡部恒郎氏に話を聞いた。

人口減少が業界再編を促す理由

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今、日本のさまざまな業界で、これからの大再編時代を予感させるような現象が起きていることをご存じだろうか?優良ベンチャーの経営者が伸び盛りの自社を大企業に売却したり、成熟した企業がITベンチャーと組んで業界再編を仕掛けたりする動きだ。これまでのように「IT×IT」のような同種の組み合わせから、「IT×成熟業界」といった異質な組み合わせの資本提携や業務提携に変わり、成熟業界が新しいテクノロジーによって刷新されるという事例が増えているのである。

なぜそうした現象が今起きているのであろうか。渡部氏は次のように解説する。

「国内の人口が減少する局面に入り、シェアの取り合いが深刻な課題となっているからです。そこで、”競合”するのではなく、”協調”したほうがいいと判断している経営者が増えているのです」

今の経営者は、必ずしも自社を「自分だけのもの」とは思っていない。オーナーでも、昔のようにファミリービジネスを重視するような経営者は減りつつあるという。

「たとえば、これまでのファミリービジネスの中には社長の年収と従業員のそれに大きな差があるなど、いわば、一族の資産を守ることを指向していた企業も少なくありません。ところが今は、オーナー経営者でももっとパブリックな考えに傾倒するなど、会社は自分のものではなく社会のものであるという考え方が広まってきているのです」

こうした現象も、人口減少が進む中で、業界全体が次のフェーズへ向かう必要性が生じているからだと言えるだろう。これからますますITが進化し、顧客との関係性が変わっていく中で、再編はどの企業でも例外ではないのだ。協調の動きがさらに加速していく一方、本当に実力のある企業だけが生き残っていく時代にシフトしているのである。

業界再編を見極める3つの視点

その意味で、私たちはこれからの業界再編を見極めるために、どのような視点を持てばいいのだろうか。そこには3つの視点があると渡部氏は指摘する。1つめは先述の「人口減少を乗り越える」という視点だ。

2つめの視点は「成熟期を迎えた業界は次へ向かう必要性がある」ということ。例として、建設、農業、ホテル、タクシーなど10年以上、同じものを提供している業界が挙げられる。

「こうした業界では、業界内のM&Aで集約化が進んだり、IT企業と組んだりするほか、コンセプトを定義し直し、業態自体を進化させていく可能性があります。とくにITを軸に業界が再編されていくという意味では、大きなインパクトがある業界だと言えます」

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