モー娘は能力、AKBは努力、ももクロは全力 グローバルエリート×スーパーIT灘高生対談2

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
 夏休みに緊急来日したグローバルエリートと、スーパーIT灘高生のTehu君との特別対談を実施。ももクロ、AKBなどのアイドル論から、グローバルエリートを育てる教育論まで、2人の異才が徹底的に語り尽くす。

さて、前回の対談ではスーパー高校生Tehuを知るべく当たり障りのないももクロネタから議論をスタートしたわけだが、これからが私の本心である、“今人気のTehuにあやかって自分もアイドルプロデュース業に参入しよう”という野望の第一段階に突入する。

私はアイドルプロデュースといっても、今世間を騒がしている矢口真里さんのように何か不祥事が起こったときに逃げてほとぼりが冷めるのを待つのではなく、不祥事を起こしまくっても毎回謝罪しまくるアイドルグループをプロデュースする所存である。

ちなみに私が今滞在している上海の芸能新聞で矢口真里さんの復帰は半年後の春ないし長ければ一年かかるとか書かれていて、中国の新聞もどうでもいいことも詳しく報道するなと感心したものであるが、この手の“不祥事に向き合わず、明確に認めて謝罪するのではなく時に風化させようとする”不祥事芸能人が多いのをみるにつけ、やはり罪を犯したとはいえ一人謝った小森純さんをグローバルエリートとしては比較的応援したい。

10代、20代の若者の行動規範に影響力が大きい芸能人だけに、芸能界の内輪の論理でほとぼりが冷めるのを待って復帰、というのは腑に落ちないのだが、考えてみればこの問題は別にどうでもいいので引き続き、スーパー高校生Tehuのアイドルプロデュース論を紐解いていこう。

グローバルエリートがいちばんうらやましい人

ムーギー: Tehu君は地元アイドルをプロデュースしてるらしいやないの。アイドルのプロデュースって、世界最高の仕事よ。ボクははっきり言うてね、いろんな国でコンサルやら金融やらなんやら、これまでバーッとやってきたなかで、やっぱり一番うらやましい人って誰か言うたら、誰やと思う? この文脈上。

Tehu: 秋元康。

ムーギー: そうや、そうや。もういくつになっても若いアイドルのみなさんと一緒に仕事してね。「秋元先生」とか呼ばれながらアイドルと世界中行って、どんだけ楽しいねんと。

ボクも次、キャリア転換するとしたら、ま、アイドルプロデュースにいきたいわけ。もうグローバルエリートそろそろ引退して、秋元さんの大きなライバルとして立ちはだかろうとしてんねんけれども、君みたいにアイドルプロデュースで売ってる高校生がいたら、これはちょっと一緒に組んでね、グローバルエリートとローカルエリート。

Tehu: ローカルエリート(苦笑)。

ムーギー: 2人で「アイドルプロデュースします」って言うたら、プロデュースしてほしいという人、けっこう来ると思うねんけど。そんな数百もアイドルグループあったらね。

そのなかで君が今、注目しているアイドルはおる? もしくはおらんとしたら、どういうコンセプトでどう売りだすことによって、おもろいビジネスができそうか。アイドルビジネス論、ちょっと語ろうか。

全員が負の歴史を持つアイドルグループ

Tehu: 最近だと面白いなと思ったのが、「でんぱ組」というグループです。

ムーギー: デンパグミ?

Tehu: 「でんぱ組.inc」(でんぱぐみインク)。グループ名の後ろに.inc(ドットインク)って書いて会社っぽい雰囲気を出しているんです。

ムーギー: あー、なるほどね。

Tehu: 6人組で、彼女たちは秋葉原を中心に活動していて、いわゆる地下の地下のすっごい小さいところからAKB方式で始めたんです。今は超メジャーなアイドルたちのすぐ下にいて、もう爆発寸前です。彼女たちは「マイナスからのスタート」と自分たちで言っているんですが、全員が負の歴史を持っているんです。

ムーギー: あっ、それ面白い。

Tehu中学、高校時代に不登校、引きこもり、いじめられた経験があるとか、ネットゲームにのめり込んで廃人だったとか、そういう子ばっかり6人集めている。だから見たらちょっと負のオーラがあるんです。

ムーギー: これは当たりますね。今、格差社会で負け組と思っている人が多いなかで、そんなところからも成功をつかむという。もうこれ、NHKの朝の連続ドラマ化、決定でしょ。でんぱインク。

Tehu:でんぱ組インク。

ムーギー:でんぱ組インクね。

──これが映像です。

ファンは外見だけでなくコンセプトをよく見ている

Tehu: (視聴しながら)これは「W.W.D.」という曲です。彼女たちは早口の曲が有名なんですよ。通称「でんぱ曲」と言うんですけど、激しい音楽が中心なんです。

ムーギー: なんか最近、こういう激しいのじゃないと流行らへんのか?

Tehu: 基本的に激しいのが流行ります。

ムーギー: がんばってやってる感があるんかな。全力を見せてよと。

Tehu: 最近のアイドルグループは日本の若手クリエイターが結集していて、でんぱ組も、ももクロの曲を書いている前山田健一さんがいろいろバックアップしているんです。

前山田健一さんはインタビューをしてドキュメントソングを書くのがうまい人なんですけど、メンバー全員に話を聞いて、まさに彼女たちの負の過程を曲にしたんですよ。すごいマイナー調の音楽にのせて、そのあとに「でも、今の私には夢がある」みたいな感じで、「やるぞ、やるぞ、でんぱ組、うおー!」っていう超高速なサビが流れるんです。

ムーギー: 人って結局、自分の負のところとか弱いところを相手のそれと同じだと理解すると、共感が高まるよね。

Tehu: そう。今、でんぱ組がすごい人気を得ているのを見ると、意外にアイドルファンって、単に見た目じゃなくて、歌詞とかコンセプトをよく見ているんだなと思います。

ムーギー: たしかに単に見た目やない。AKBなんかはっきり言ってなんもかわいない。あれよりかわいいの、いくらでもおるやろ。

Tehu: ボクは松井玲奈さんはかわいいと思ってますけど。

ムーギー: おっ、君、ついにボクとかぶったね。じゃあ松井玲奈をめぐる、“テフ”と“デブ”の闘いにする? 誰も見たくないやろな。そもそも松井玲奈さんが迷惑するやろな。「もっとほかの子に行ってー」みたいな。

Tehu: もっとイケメンだったらいいんですけど。

ムーギー: でも「2人合わせて200キロやで」と。それは置いといて、君はそういうコンセプトが好きやと。

Tehu: そうですね。 

次ページアベノミクスの最大の敵はももクロ
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事