トランプ周辺が危惧する「第3次大戦」の悪夢 金正恩との挑発の応酬は衝突を招きかねない

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ホワイトハウスのインナーサークルに最も深く入り込んだ日本人記者が最新の内情をリポートします(写真:Leonid Andronov / PIXTA)

日本が総選挙一色になっているなか、北朝鮮危機に直面する米国のホワイトハウスで、混迷が深まっている。ドナルド・トランプ大統領を支える側の共和党の重鎮から、「(このままでは)われわれは第3次世界大戦に向かっていく可能性がある」という発言が飛び出している。

これは、米国の外交政策に強い影響力を持つ米上院外交委員会の委員長であり、与党・共和党の上院議員であるボブ・コーカー氏の言葉だ。

トランプ大統領が北朝鮮に対する姿勢を変えなければ、最悪の軍事衝突になりかねない、という極めて強い警告といえる。安倍晋三首相による突然の衆院解散で、日本で大きな政治空白が生じているなか、米国で進行する「中枢の危機」についてリポートしたい。

「リアリティ番組に出ているようだ」

「こうした大きな外交政策課題について、大統領が話しているとき、彼はリアリティ番組か何かに出ているかのようだと、私はしばしば感じる(Sometimes I feel like he’s on a reality show of some kind, you know, when he’s talking about these big foreign policy issues)」

10月9日の月曜日。米ニューヨーク・タイムズ紙のデジタル版に掲載された、米上院外交委員長、ボブ・コーカー(Bob Corker)上院議員(共和党)へ8日に行われたインタビュー記事は、米首都ワシントンのインサイダーたちにとって、大きな衝撃となって伝わった。外交政策に精通し、与党・共和党の上院外交委員長として大きな力を持つコーカー氏が、ホワイトハウスの内情について赤裸々に語ったからだ。

ビジネスマン出身のコーカー氏は、2007年からテネシー州選出の上院議員を務めている。政策通であり、その気さくな人柄も相まって、米国で有名な上院議員だ。

この話には前段がある。8日の日曜日の朝、トランプ氏が、ツイッターで、コーカー上院議員について、「再選を支持するように私に懇願していた」「出馬するガッツがない」と批判。これに対し、コーカー氏が「ホワイトハウスが大人の保育園(adult day care center)になってしまったのは、恥だ」とツイッターで切り返していた。

上院議員として現在2期目のコーカー氏は、来年2018年の11月に中間選挙を迎える。しかし、この選挙には出馬しないことを、コーカー氏は今年9月末に発表していた。その不出馬を巡って、トランプ氏が、コーカー氏を揶揄し、コーカー氏が反論した、というのが日曜日の構図だった。さらに、コーカー氏は、ニューヨーク・タイムズのオン・ザ・レコードの(オフレコではない)インタビューを受けた。

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