「カタルーニャ独立」をめぐる不都合な真実 「悪者になった警察官」が差別され始めている

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このスキームでは、住民投票の日の早朝に、州自治警察が投票所を封鎖する役割にあたり、国家警察と治安警察はその背後から支援することになっていた。ところが、州自治警察は1日朝、投票を待つ市民の多さに驚き、投票所を封鎖せずに退去。それに驚いた指令本部は、急きょプランを変更し、国家警察と治安警察が投票所を封鎖し、投票箱を押収することになったのである。

2つの警察が投票所に到着したときには、すでに大勢の市民が投票を待っていた。その中に割り込んで投票箱を押収するのは至難の業で、このときに警察と市民が衝突してしまった。州自治警察が、任務を果たしていれば、警察と市民が衝突するような事態には至らなかったかもしれない。

カタルーニャ州自治警察は、自治警察ではあるが、警察として活動するときには、スペイン憲法に誓約することが義務づけられている。それだけに、内務省の指令本部は最後の最後まで州自治警察を信頼していた。これに対して、州自治警察は投票箱を押収したとしているが、それは問題があまり起きなそうな投票所のことだった。

一方、悪者になってしまったのは国家警察と治安警察だ。彼らは、投票所2315カ所のうち、440カ所から投票箱を押収したのだが、そのために支払った代償はあまりに大きかった。

「人殺し」「ファシスト」と呼ばれる子どもたち

最も大きな被害を受けたのは、カタルーニャ州に駐在している国家警察と治安警察の家族で、特に子どもたちは学校で差別を受けるようになっているという。たとえば、ある15歳の子どもは、クラスで教師が今回、国家警察と治安警察が暴力を振るったと非難した際に、「すべての警察がそのような暴力を振るったかのように話すのはやめてほしい」と訴えたところ、その教師から差別されるようになったという。学校で「人殺し」「ファシスト」と呼ばれる例も出ており、登校できなくなった子もいるようだ。投票所で起きた映像が教室で流され、それを生徒たちが批判するのを見て我慢できず、退室した子もいるという。

父親が治安警察に勤める13歳の女子は、次のような内容の手紙をクラスメートに送った。「今回起きていることは私のお父さんの罪ではありません。私のお父さんは単に与えられた任務を果たしているだけです。それは国家警察と州警察も同じことです。責任は警官にあるのではありません。政治家にあるのです」。

「私にはこれを受け入れることがなかなかできません。ここは私が生まれ育ってきたところでもあるからです。私がスペインの首相であるかのような責任を負わせないでほしい。なぜなら今起きていることについて、私には責任がないからです。お願いだから、どんなことがあっても、これからも今までと同じように付き合ってほしい」

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