ITリテラシーが低いと「家族が危険」の理由

フィッシング詐欺、不正請求に気づけるか

読者諸兄の家庭内にネット接続できる端末はいくつあるだろうか。スマホ、タブレット、PC……、最近ではテレビやエアコン、電子ロックまでネット接続が可能になっている。ネットに接続することで利便性は増すが、サイバーリスクが増えることにもなる。ここで気をつけたいのは、そのリスクは利用者によって深刻度が変動すること。利用者のITリテラシーが低ければその分リスクは増大するのだ。

次々にトラブルに見舞われた、ある家族を見てみよう。
(※家族はフィクションです)

家族のITリテラシーの低さにうんざり……

東洋敬三は都内の企業につとめる45歳のサラリーマン。東京郊外のマイホームで、妻、2人の子どもたち、愛犬と平穏ながらも幸せな日々を送っている。ある日、妻の佳香(けいか)が心配そうに話しかけてきた。

「ねぇ、こんなメールが通販サイトから送られてきたんだけど……」

パソコン画面にあるのは、大手通販企業からの配信メールに見える。佳香はネットショッピングが趣味で毎日のようにこのサイトを利用しており、IDやパスワードの再登録を求められたのだという。

「それで、再登録したのか?」

「うん。でも、そんなこと今までなかったから急に心配になって……」

敬三はすぐにピンときた。フィッシング詐欺だ。すぐにカード会社に連絡し、カードを止めて再発行する手続きを取った。被害もまだなく、事なきを得た敬三だったが、ネットトラブルを呼び込んだのは妻だけではなかった。

「ちょっといいかな……?」

数日後、気まずそうに呼びかけてきたのは中学2年生の息子・啓太。自宅学習用に買い与えたタブレットには、「登録が完了しました」と十数万円を請求する画面が映し出されていた。ネット上に横行するワンクリック詐欺サイトである。問いつめるとやはり、アダルトサイトをのぞいていたことを告白した啓太。払う必要がないことを説明し、ほっと胸をなで下ろしたのもつかの間、今度は携帯会社から高額請求書が自宅に送られてきた。

手元にあるのは架空請求などではなく、家族全体で加入している携帯キャリアからの正規の請求書である。高額になっている理由は「コンテンツ使用料」。もちろん敬三には身に覚えがない。とすれば――。

「ごめん、パパ……」

顔の前で両手を合わせているのは、高校1年生になった娘の景子だった。

次ページ実は、敬三自身も情報を流出させていた
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