安倍首相、「消費増税」を政権浮揚に"利用"へ 使途を借金返済から子育て支援支出等に変更

拡大
縮小
安倍晋三首相(右)とその最側近の今井尚哉首相秘書官(左)(写真:共同)

安倍晋三首相は28日召集の臨時国会冒頭で衆議院を解散し、10月に総選挙を行う方針を固めた。学校法人「森友学園」や「加計学園」などの問題で急落した内閣支持率が復調し、野党第一党の民進党の混乱も続くため、一気に政権基盤の回復を目指す。

そうした中、安倍政権が選挙の争点に打ち出したのは、またもや消費税だ。

今井秘書官が主導

「主導したのは、今井尚哉首相秘書官ら経済産業省出身者グループ。自分たちの政権維持のために消費税を“おもちゃ”にすることは許されるのか」。財務省幹部は怒りを隠せない。

2019年10月の消費増税時に、増収分の使途を国の借金返済から子育て支援や教育無償化への支出に変更するというもの。消費増税を決めた2012年に増収分の使途は決まっていたが、それを反故にする内容だ。

国民に不人気な消費増税を逆手に取り、政権浮揚に利用するやり方は今回で3度目。これまでは2度、選挙前に増税の先送りを打ち出している。いずれも、裏で仕掛けたのは首相の最側近、今井秘書官といわれる。

次ページ前回は「新しい判断」
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
猛追のペイペイ、楽天経済圏に迫る「首位陥落」の現実味
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
ホンダディーラー「2000店維持」が簡単でない事情
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT