パナソニックが描く車載事業の未来とは クルマのエレクトロニクス化の最前線

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電気自動車(EV)市場の拡大や自動運転の実現に向けてクルマが進化していく中で、パナソニックの車載事業を推進するオートモーティブ&インダストリアルシステムズ社(以下、AIS社)が高成長を遂げている。同社の車載事業の売上高は2016年度に約1.3兆円だったが、18年度に2兆円を目指している。これに伴い、未来をともに創っていく優秀な人材獲得を進めているという。

進化し続けてきたパナソニックの車載事業

AIS社の車載事業は、社会の要請という視点から「快適」「安全」「環境」という3事業領域に分けられる。そのうち「快適」「安全」事業の拠点となっているのが、長野県にある松本拠点だ。

AIS社 松本拠点内の生産ライン

松本ではグローバルマザー拠点として最先端の設備・生産技術を擁し、車載情報通信システム(In-Vehicle Infotainment : IVI)やeコックピット、先進運転支援システム(Advanced Driver Assistant System : ADAS)、電動化といったカテゴリーの製品群がつくり出されている。クルマがエレクトロニクス化する中で、欠くことのできない幅広い製品・システムを取り扱っており、いずれも需要が急拡大している。

当然のことながら、これらの製品・システムには、長年にわたりパナソニックが培ってきた家電技術が生かされている。たとえば1939年の、車載カーラジオ1号機の開発。その後もカセット、CD、DVD、Blu-Rayなど家庭で新しいメディアが普及するのに合わせて、車載機も商品化してきた。カーナビゲーションやヘッドアップディスプレイ、電子ミラー、さまざまなセンシング技術なども、AV機器や白物家電に用いてきた技術を高いレベルで応用したもの。こうした確たる技術を基に、今までにない製品・システムを市場にいち早く送り出す「ファースト・イン・マーケット」を実践し、各自動車メーカーからそのアイデアやコンセプトだけではなく、品質面でも信頼されるTier1(一次サプライヤー)であることがAIS社の強みだ。しかも今日では、自動車メーカーと一緒に「快適」「安全」をサポートするものづくりを企画の段階から行うようにもなってきているという。

一方、AIS社の車載事業の海外生産拠点は、米州、欧州、中国、アジアの4エリア、20拠点以上。これらを取りまとめ、ものづくりのトップランナーとして工法・設備などの先行開発・立ち上げを行い、海外への展開を図ると同時に、現地の情報や顧客からの要望を収集・分析し、そこから解決策や新たな付加価値を創出して海外拠点に再発信するのが、グローバルマザーの中枢である「グローバル生産革新センター」だ。

オートモーティブモノづくり担当CMO(兼)
インフォテインメントシステム事業部 グローバル生産革新センター 所長

小林 彰

このグローバル生産革新センターの小林彰所長は「ものづくりがどんどん高度化、複雑化していく中で、われわれが最も重要視しているのは、国内外すべての生産拠点の品質の高位平準化です」と言う。

AIS社が提供する車載製品・システムのラインナップが拡充していく上で、プロダクツの安全性、信頼性といった品質はつねに担保されなければならない。自動車の場合、たった1つの小さな部品でも不良が発生すれば、それは即座に人命にかかわる大問題に発展しかねないからだ。そのため、松本拠点がモデルとなって、ノウハウを積み上げ、さらに新しいものづくりに挑戦していく必要がある。

この課題を乗り越えていくために、松本拠点では生産プロセス開発、生産システム開発等に携わる人材を積極的に採用しようとしている。「松本拠点は車載事業の中核。エンジニアであれば、ここで働くことを意気に感じるはずです」とグローバルマザーとしての松本拠点のプレゼンスを訴える。

グローバル車載生産技術人材に求めるものとは

AIS社ではキャリア採用の若手社員も第一線で大いに活躍している。同センター生産革新部の望月雅矢主任技師も、その1人だ。実は、同氏は今年8月に中途入社したばかり。それでも、その実力と本人の熱い思いが評価され、入社1カ月後には欧州の重要拠点の1つ、チェコへ2週間の出張の機会を得た。

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