新入社員は「ヤバい65歳」 定年後もスタートアップ!

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IT・ネットの業界に限らず、若くて元気な起業家達が、「スタートアッパー」として世間で注目を集めている。この流れを象徴するひとりが、仲暁子氏だ。ゴールドマン・サックスに入社した後、Facebook Japanに初期メンバーとして参加。その後、Facebookを活用したソーシャルリクルーティングサービス『Wantedly』を展開。大企業→スタートアップとキャリアを進めた仲氏が注目のスタートアッパーと対談するのが本連載。彼らはどのような価値観を持って、起業へと踏み切ったのだろうか。知られていないホンネを探る。
第1回目は「Gunosy」の福島良典氏が登場。続く、二人目は、次世代パーソナルモビリティ「WHILL」を開発する株式会社WHILLの代表であり、デザイナーの杉江理さん。「WHILL」は、車椅子に装 着するだけで、時速20㎞までの加速が可能になる。2011年東京モーターショーで発表されたコンセプトモデルは、大きな反響を呼び、米国市場に向けて量 産化モデルの開発が進んでいる。

対談の(上)はこちら

ユーザー中心に転換

:ユーザーからの声で、何か変わったことは具体的にありますか。

杉江:ホント全部。全部が全部変わりました。スペック的にも精神的にも、やっぱり「キーとなる言葉」を言ってくれるんです。たとえば「私はフェラーリなのにこの子(電動車いす)はカローラのままなのよ」とか。これはつまりイノベーションに対する怒りですよね。ずっと車いすは変わらない!って。あとはちょっと抽象的な話をしていいですか。

:お願いします(笑)。

杉江:あるときWHILL のハンドルの中に、iPhoneを収納させた絵をみせてみたんですよ。車いすにiPhoneがくっつくとGPSと連動していろいろ操作ができるみたいな感じで。そうしたらiPhoneがあることに「これはいい!」って反応が来るんですよ。聞いてみると便利だということよりも、なんか革新的っぽいではないかという反応なんですね。それは前述したように、車いすや電動車いすがあまり変わらないということに対する不満で。なんか先進的っぽいのがうれしいんですよ。車いすは歴史的に見たら、もちろん細部の機能は向上していますが、根本的な形はほとんど変わっていません。80年くらい前のと今の車いすはほとんど一緒。

:その足の悪い方たちがイノベーションを求めているというのは、自分たちの発想からは出てこないものだったのですか。

杉江:そうだと思ってやっていましたが、確信的に「そうだよね!」と思わせてくれたのは、やはりユーザーの声でした。

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