時代劇の「嘘」を楽しむための心得とは何か

クリエイターと歴史家、せめぎ合いの舞台裏

どこでどんな「嘘」をつき、どこで「リアル」にこだわるか…(写真:kanzefar / PIXTA)

「なんておもしろいの!」

この本を読んでいると、ページをめくるたびにこの一言が口をついて出る。

演出の結果によっては、不名誉を被ることも…

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戦国時代を専門とする著名な学者・小和田哲男氏が時代考証にあたった大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」で、こんなことがあったそうだ。浅井長政の小谷城が織田信長に攻め落とされる場面。

“最近の研究では、小谷城は実際には燃えていなかったことが判明している。小和田は炎上シーンは描かないように要請した。しかし番組スタッフは、城が燃えていないと、落城が一目でわからないから、少しだけ火をつけさせてほしいという。小和田はしかたなく「少しだけですよ」と念を押したが、放送を見ると、城は見事に……”

小和田教授は「小谷城が焼けてないことも知らないのか」という不名誉を被ったというから辛い立場である。

秀吉の「一夜城」といえばドラマには欠かせない名場面である。ところがなんと。この「一夜城」の存在は、現在の研究では全面的に否定されているという! そんなものはなかったのだ! ところが大河ドラマ『秀吉』第6回のサブタイトルは「墨俣一夜城」。スタッフはやる気満々だ。さあどうする。いまさら脚本全面書き直しはできない。てか、墨俣一夜城なしの秀吉なんて。「うーーーーーむ」と悩んで、せめて「がっつり城」ではなく、柵や楼が立つ簡単な砦っぽくしてねということで解決。それにしても、一夜城はなかったのかあ。

ドラマばかりではない。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』でも描かれた名場面。龍馬がまだ千葉道場で学んでいた時、剣客が一堂に会して腕を競う剣術大会で、連戦連勝なのが木戸孝允、そのすさまじさをみて立合いを躊躇する武市半平太を尻目に、平然と木戸と立ち合って、激戦の末第殊勲をあげた龍馬の凄みある場面であり、史実として描かれていたのだが、これも実は当日、龍馬も木戸も、武市も、だれも江戸にはいなかったことが後日わかったそうで。もとになった資料が偽書だったというからこれはちょっと気の毒かも。

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1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。