「サブリースで大損した人」がハメられた手口 悪質なサブリース業者を見極めるには

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脅すようなやり方もあるようだ。「被害」にあった人の中には、一人暮らしの自宅に毎日、同じ会社から何人も訪れたり、数日で名刺の山ができるほどの営業攻勢を受けたりして、それが怖くて、あるいはそれから逃れようと「イエス」と言ってしまった例があった。

居留守を使うなどして相手にしなければいいと思うだろうが、話を聞いた人の多くは相手に悪いと思うのか、それができなかったという。礼儀正しい常識人こそ、狙われているという言い方もできるだろう。

突然契約を解除されることもある

高齢者でなくともその気になってしまうのは、サブリースが謳う「30年一括借り上げ、家賃保証」という言葉の甘さだ。特にバブル期を知っている人であれば「不動産はラクして儲かる」という刷り込みが抜けていないのか、安易に信用してしまう。

前述のとおり、サブリースは経営や管理の手間がかからない反面、中には家賃が下がったり、儲からなければ契約期間を待たずして打ち切られてしまったりすることもある。

一般の賃貸借では入居者が保護されるため、大家が契約解除する際には厳密な正当事由が求められる。ところがサブリースの場合、物件所有者が大家と見なされるため、借り手のサブリース会社は保護される。つまり、サブリース会社からも容易に契約解除ができるわけだ。

率直なところ、ハウスメーカー系のサブリース会社の場合、アパートを建築してもらった時点で儲けが出ているため、契約を解除したところで大きな痛手にはならない。ところが、アパート経営のノウハウがない物件所有者にとっては、突然の契約解除は一大事である。

実のところ、契約書にはそのあたりは明記されている。たとえば右はある業界大手のサブリース経営代行システムの覚書だが、そこには「入居状況、近隣家賃相場、経済状況と地域需要に応じて、随時に変動増減(据置き)し」と書かれている。また、契約解除はもちろん、事業収支契約書には必ず、収支がシミュレーションでしかないことが記載されてもいる。

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