大幅減益のフジテレビを「月9」は救えるのか 民放キー局の出足が軒並み厳しい理由とは

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月9ドラマの視聴率が復活、勢いは続くか

今後の業績を左右する4~6月期の視聴率もふるわなかった。全日帯(6~24時)は前年度比0.1%の減少にとどまったが、ゴールデン帯(19~22時)は同0.3%下落、プライム(19~23時)も同0.4%下落となった。

フジは昨年4月に昼のドラマを廃止し、午前中から生放送中心の編成にした。その結果、昼のバラエティ「バイキング」や午後の情報番組「直撃LIVE グッディ!」の視聴率は改善基調が続いていた。これらが全日帯の数値を支えたとみられる。ただ、ゴールデンのバラエティやドラマでは、改善がみられなかった。

ただ、苦戦が続いたドラマでは明るい兆しも見えてきた。7月に始まった月9ドラマ「コード・ブルー」(主演:山下智久)の視聴率は初回が16.3%、第2話が15.6%、第3話が14.0%となり、フジのドラマとしては久々に大健闘している。これを糸口にドラマを復活をさせることができるのか。現場としては腕の見せどころになる。

6月下旬には前BSフジ社長の宮内正喜氏がHDの社長に就任した。日枝久・前会長が「新社長の役割は現場が自由に制作できる環境を育てること。陣頭指揮を執り、細かな指示を出すべきではない」と話すように、宮内氏が制作現場の力をどれだけ引き出せるかが、反転のカギとなるかもしれない。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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