出口見えない「異次元緩和」に潜む恐怖の未来 景気悪化や超円安、超インフレもありえる

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出口戦略を明言しない日銀(撮影:尾形 文繁)

「懺悔」されてしまった日銀黒田バズーカ

アベノミクスが始まって以来、日本銀行は2%のインフレ目標を抱えて「異次元の量的緩和政策」いわゆる「黒田バズーカ」を4年前に放って以来、国債やETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)を毎年80兆円超も買い続けてきた。

こうした異次元緩和の経済政策は、空からヘリコプターでお札をばらまく「ヘリコプターマネー」ではないかといわれてきた。このヘリコプターマネーを日本に提唱したのは、元FRB(連邦準備制度理事会)議長で著名な経済学者のベン・バーナンキ氏だ。ヘリコプター・ベンの異名でも知られるバーナンキ氏の経済政策によって、米国経済はリーマンショックからいち早く景気回復を実現させたことで知られる。

2016年に発表された消費税率アップの延長も、安倍晋三首相がバーナンキ氏との会談後に決めたことで注目を集めた。要するに、日銀が現在も続けている異次元の量的緩和の理論的な支えであり、精神的教祖様ともいえる。

ところが、そのバーナンキ氏がこの5月24日に日銀行内で行われた講演で、とんでもないことを口走った。

「私は理解が足りなかった」

「初期の論文での指摘は楽観的で、中央銀行が量的緩和を実行すれば、デフレを克服できるはずと確信しすぎた」

「ほかの選択肢を無視しすぎた」

まさに、日銀が現在も続けている金融政策が過ちだった、と白状してしまったのと同じだ。さすがに、大手メディアはそろって無視したが、日銀の黒田東彦総裁の胸中は穏やかではなかったはずだ。かけられたはしごを思いきり外されたようなものだ。

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