北朝鮮の「核攻撃」を封じる3つの具体策 開発自体をやめさせるのは難しい
米国のドナルド・トランプ大統領と韓国の文在寅大統領は、北朝鮮が核開発を行っているという現実を直視する必要がある。つまり北朝鮮政府が核爆弾の開発に取り組んでいることは、誰もが知っている事実なのだ。
両大統領は6月30日、初の首脳会談を開いた。重要なのは、両大統領が今後、金正恩朝鮮労働党委員長が核兵器を開発するのを妨げるというドン・キホーテ的な取り組みをやめ、その代わりに核兵器の使用をやめさせることに、焦点を当てることだ。
制裁や軍事的威嚇には北朝鮮が動じないということをトランプ大統領は認めなければならない。一方、武器保有していなければ北朝鮮は生き残れないと金正恩が考えているかぎり、経済的・政治的支援を行う「太陽政策」では、北朝鮮政府を核兵器の鎖から解きはなつことができないことを、文大統領は認めなければならない。
軍事活動は避けるべきだ
米国政府はまた、危機が差し迫りすぎていて、ほかにどんな選択肢も残っていない状況でないかぎり、軍事的手段を選択肢から除外すべきだ。北朝鮮は自国の核開発プログラムをあまりに推進しすぎたうえ、あまりに多くのことを隠蔽してきた。
こうした状況下では、1981年と2007年にイラクとシリアの原子力施設を破壊するために行われた空爆のような「イスラエル方式」は意味がない。北朝鮮の核施設を見つけ出し、破壊するための軍事行動は、朝鮮半島の大半を戦争に巻き込むだろうし、その結果として、数十万人の韓国国民が被害にあう可能性もある。
だが、幸運なことに、歴史は代替案を提示している。それは「核の封じ込め」だ。これは、容易な取り組みではない。成功させるのには、3つの要素が必要となる。