トヨタ株主総会、章男社長が涙を見せたワケ

株主の心配は短期業績よりも中長期の競争力

例年多くの人が詰めかける。2年連続で過去最多となる5227人が出席(記者撮影)

トヨタ自動車は6月14日、主要な3月期決算企業のトップバッターとして、愛知県豊田市の本社で定時株主総会を開いた。自動車業界は100年に1度の変革期を迎えており、自動運転や電気自動車など次世代車の開発競争は異業種も入り乱れて激しさを増している。

また足元のトヨタの業績に対し、株主からは心配する声が上がっている。出席株主は2年連続で過去最多となる5227人(昨年は5148人)に上った。これに対して、豊田章男社長は率直に今の思いを熱く語り、最後は涙ぐむ場面もみられた。

実際、トヨタの業績は厳しい。2018年3月期の営業利益は前期比20%減の1兆6000億円となる見通しで、2017年3月期に続いて2ケタの大幅減益を予想。営業利益が2期連続で減益であれば、実に18年ぶりとなる。

「M&Aなども含めてあらゆる選択肢を検討」

最初に立った株主はこうした状況について「2期連続の減益見込みで心配している。今後どう立て直すのか」と単刀直入に質問。それに対して、永田理取締役兼執行役員副社長は「連続減益はいけないと思っている」と回答した。

特に稼ぎ頭の米国市場がピークアウトした影響が大きく、北米の挽回策について、新型「カムリ」を中心に販売に力を入れていくことや、乗用車から人気がシフトしているSUV(多目的スポーツ車)などライトトラックの生産能力を増強すること、さらに販売奨励金の見直しなどを進める考えを示した。

だが、株主の多くが心配していたのは、短期的な業績よりも中長期のトヨタの競争力だ。「15年から20年先をどうみているのか」「IT企業の自動車参入は手ごわそうだが、どう対抗していくのか」「自動運転の開発は他社より進んでいるのか」「50年先を見据え、資金をどう使うのか」などの質問が飛び交った。

「(これまでのトヨタは)少し守りにシフトし過ぎていたかもしれない」。豊田社長はこうした疑問や懸念の声に対して、そう反省してみせた。そのうえで「自動車業界は大きな転換点を迎えている。遠い未来の出来事と思っていることが明日起こるかもしれない。守りだけでなく攻めも必要だ。今後はM&Aなども含めてあらゆる選択肢を検討しないといけない」と、"攻め"の姿勢に転じることを宣言した。

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