コンビニを「節約目線」で徹底活用する裏ワザ チェーンごとにこんなに違いがある!

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次は、これからのシーズンに欠かせないアイスクリーム。PBの箱入りの棒アイスは、スーパーよりも安く買える。アイスの種類は各コンビニで扱いが異なるので厳密な価格比較はしにくいが、あえて1箱の値段だけで見てみると、安いのはファミリーマート。5本入りの箱アイスなら200円を切った定価で買える商品がある。セブンだと6本入りとはいえ200円を超えてしまう。1箱200円以上だと今度はスーパーの価格に負けることがある。

こうした嗜好品は出費のハードルが甘くなるものだが、コンビニ商品をうまく選ぶことで地道に節約することはできる。

コンビニ乱立時代だからこそ

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店舗数では他のチェーンに押されぎみのミニストップだが、実は見つけたら立ち寄ってほしい店でもある。食の面では他に負けない武器があるからだ。たとえば手作りのおにぎりや、量り売り総菜「ホームデリ」の取り組みはなかなかすごい。

量り売り総菜「ホームデリ」は、筆者も会社員時代によく利用したが、メインおかずにサラダ、煮物などの総菜が10種類ほど選べる。備え付けの容器に好きなものを取り、100g170円で会計する仕組みだ。通常のコンビニ弁当は、揚げ物がメインだったり野菜少なめになるところだが、そういう不満が解消できるのは強みだろう。ライスは別売りだが、筆者は自宅からおにぎりを持参し、総菜だけを買うという使い方をしていた。通常の弁当だと女性にはご飯の量が多い場合もあるし、ダイエットで糖質を減らしたい人もいるので、ご飯持参というのも方法だと思う。ミニストップは今後この「ホームデリ」併設店舗を増やす方向だという。また、毎月15・25日に店内のイオン銀行ATMで引き出しを利用すると、コーヒーSサイズが50円で購入できる券が発券されるのも覚えておくといいだろう。

余談だが、ミニストップはちょい飲みができる新業態コンビニ「cisca(シスカ)」を2014年から始めている。店内で買ったつまみやアルコール類をイート・イン・スペースで楽しむことができるのだが、つまみの盛り付けやソーセージのボイルサービスをしてくれ、冷えたグラスの貸し出しもある。いわばコンビニ版角打ちとでも言おうか。筆者も取材したことがあるが、15時ころからグループで飲んでいる女性客がいて驚いた。2月のプレミアムフライデーには、生ビール「ハートランド」1時間飲み放題(おつまみ付き)で税込み1000円という特別企画が行われたという。東京都内にまだ7店舗しかないが、消費者にとってはまさに店頭原価で飲めるうれしい試みといえる。

上位チェーンだけでも全国5万店を超えるというコンビニ。買収や経営統合を繰り返し、100m先に同じチェーンのコンビニがあるのも珍しくないという乱立時代だが、意外と店舗ごとの特徴があるものだ。やけにカップ麺の品ぞろえが豊富な店もあれば、入れ替え商品のセールを頻繁に行う店もある。どうせ同じチェーンだからと決まった店舗にばかり通うのは、実はもったいない行動かもしれない。

(価格は記載のないかぎり税別です)

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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