夜の山道30kmに挑む「名門男子校」の独特授業

東京・巣鴨は「大菩薩峠越え」で生徒を育てる

真夜中に出発して山道を約8時間歩く(写真:筆者提供)
名門進学校で実施されている、一見すると大学受験勉強にはまったく関係なさそうな授業を実況中継する本連載。第8回は東京都豊島区の中高一貫男子私立校、「巣鴨」で50年以上続く伝統行事を追う。

真夜中に出発し、約8時間山道を歩く

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巣鴨中学校・高等学校恒例の「大菩薩峠越え強歩大会」に同行した。夜9時にバスで東京・上野を出発し、奥多摩のスタート地点まで移動する。そこから先、学年によってスタート地点とゴール地点が若干異なるが、東京都の奥多摩側から標高約1900mの大菩薩峠を越えて山梨県の塩山へ抜けるのが基本のルート。毎年全巣鴨生が参加する。

高3は奥多摩湖畔の川野を夜中の2時にスタート、ゴール地点の山梨県甲州市塩山北中学校まで約34.5kmの山道を踏破する。入学したばかりの中1は、山梨県の小菅からスタート。峠を越え山道を下った裂石(さけいし)でバスのお迎えがあり、上級生たちのゴール地点まで連れて行ってもらえる。それでもおよそ20.4kmの道のりだ。私は中2のルートに同行した。小菅から塩山北中学校まで約26km、3時にスタートしゴールの目安は11時まで、約8時間の道のりだ。

バスの中で缶詰めにされていた生徒たちは、早く歩き出したくてうずうずしている。3時に出発の合図があると、われ先にと山へ向かった。

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