東京に「ご当地焼き鳥」が続々と集まる理由

居酒屋不況の中で気を吐くジャンルの新潮流

串打ち3年、焼き一生ともいわれるほど、焼き鳥を焼くのは熟練を要す(写真:筆者提供)

少子高齢化、人口減、若者のアルコール離れ、飲酒運転の厳罰化、ファミレスやファストフードで広がる「ちょい飲み」、貧困層の拡大――。日本フードサービス協会によれば、2016年までに8年連続で減少が続いている居酒屋市場(「パブレストラン/居酒屋」)において、気を吐くジャンルが「焼き鳥」だ。

メニュー全品が280円均一(税抜き)で出店数を拡大する「鳥貴族」が有名だが、それ以外の「焼き鳥居酒屋」も勢いを増している。その1つが東京に集まる全国各地の特徴のある「ご当地焼き鳥」である。

さまざまな飲食店が軒を連ねるJR神田駅周辺(東京都千代田区)。特に夜ともなれば、個性派ぞろいの居酒屋が営業を開始し、仕事帰りの会社員などでごった返す。

東京に進出した「かわ屋」の綿密な戦略

JR神田駅より徒歩1分だが、2階にあり、隠れ家的な立地(写真:筆者提供)

その神田に「かわ屋」の第3号店が5月17日オープンした。「かわ屋」は本店が福岡市にあり、博多流「かわ焼き」を福岡の名物にまでした店舗。福岡では、つねに満席。予約なしでは入店不可能な大評判店だ。

「かわ屋」が東京に進出したのは、2015年7月。六本木で実験店舗的にスタートし、あまりの人気ぶりで行列&1人当たりの本数制限まで設けられた。その経験を生かし、大井町(東京都品川区)でグランドオープン。さらに、ときわ台(東京都板橋区)に2号店を構え、満を持した形で、神田に進出というわけだ。

ここには綿密な戦略がある。六本木という流行に敏感な地で手応えをつかんだ後に、オペレーションや仕込みを確実にするために、あえて繁華街を避けて大井町、しかもビルの2階という立地を選んだ。次は山手線を介して反対側的な、板橋区のときわ台。そして中間的な繁華街、神田ということだ。

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