事後レポ

絶好調企業が実践する営業戦略のすべて

本当に優れた、営業戦略・戦術とは何か?

2017年3月期の上場企業純利益の合計が前年同期比11%増と2期ぶりに過去最高を記録するなど、日本企業の業績改善が進む中、特に業績好調な絶好調企業の営業戦略、SFA(セールスフォースオートメーション、営業支援システム)の活用について検討する「SFAカンファレンス 絶好調企業が実践する営業戦略のすべて」が4月19日に東京・千代田区で開かれた。
主催:東洋経済新報社
協賛:セールスフォース・ドットコム
講演協力:日本M&Aセンター

基調講演
営業リーダーが創る優れた営業戦略・戦術とは何か

北澤 孝太郎 
東京工業大学大学院
特任教授
レジェンダ・コーポレーション
取締役

リクルートなど営業部門の責任者を歴任し、現在は、営業リーダー研修の第一人者である、東京工業大学大学院特任教授の北澤孝太郎氏は、行き過ぎた成果主義の導入でノウハウの共有がなくなり、効率化の名の下に若手に教える人も不在となった営業組織の課題や、今や他社・部門の焼き写しや場当たり的な戦略しか描けなくなったリーダー自身の実力低下の課題を指摘。訪問した顧客に自分が何者で、何ができるのかなどあり方を伝えることや、概念化と内省化を繰り返して営業知識を蓄積する考える営業部門を取り戻すよう訴えた。

営業リーダーには、高い理想とリアリティに根差した戦略・戦術をつくり、それを部下が共感できるようにコミュニケーションすることを求め、そのための「北澤モデル」を提示。たとえば、リクルート時代には、単なる情報誌・ウェブサイト掲載で利益を出すのが戦略ではなく、その会社が望む理想の人材を一人でも多く目の前に連れてくる会社になるというあり方の定義からスタート。次にその思いを実行するための業務プロセスと付随する知識を身に付け、価値基準や競合他社と比べて自社が選ばれる理由などの顧客価値を織り込んで戦略・戦術を構築していた手順を紹介。SFAについては、営業課長時代に日報を止め、各営業担当の行為だけをシステム化して分析、把握することで適切なアドバイスが可能になった経験を披露。「部下の行動管理より、営業機能を果たすために、どんな行動をどれだけ取ることが必要かを見極めるツールとしてSFAを使うことが有効」と語った。

リレーセッション
営業戦略のすべて絶好調企業における
”成長エンジン”は営業リーダーだ!

 営業リーダーのための戦略的情報活用基盤とその事例

田崎 純一郎 
セールスフォース・ドットコム
マーケティング本部
プロダクトマーケティング
ディレクター

セールスフォースの田崎純一郎氏は、製品からソリューションのセールスへのシフトが進む中、平均的な営業担当とトップパフォーマーの差が拡大していると指摘。営業リーダーに大切な要素として、部下をコーチングするスキル、お手本になる販売スキル、注力すべき点を判断する資源配分、創造性をもって顧客に対応する営業イノベーションの四つを挙げた。中でもコーチングは、業績向上に効果が大きいと強調。「マネージャーと営業担当が、同じ画面を見ながら話し合って次の行動を議論できるSFAツールを使うことが効果的」と訴えた。また、同社が導入を進める人工知能「アインシュタイン」も紹介。

秋津 望歩
セールスフォース・ドットコム
マーケティング本部
プロダクトマーケティング
マネージャー

これまで営業担当の経験と勘に頼っていた判断を、人工知能に行わせることで、若手の支援ができ、業績底上げにつながると述べた。

セールスフォースの秋津望歩氏はSFAのデモを披露。サイトに氏名などを登録した人が、価格、機能など、どのページを見たかをトラッキングし、人工知能で関心度を算出する見込み客のフォロー機能、マネージャーから担当にキーマンへの面会を指示したり、担当がモバイルでアポイントを連絡するといった一連の作業をシステム上で行える利便性や受注予定日、業種、担当別に案件状況を見やすく可視化できるダッシュボードを紹介した。

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