「仕事レベルの英語」を最短習得する人の秘密 純ジャパニーズ×英語ネイティブの日米対談

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「単一言語」だけ話していては見えてこない世界があるかもしれません
海外に出ないかぎり、日本語だけで十分生きていける――。確かに一面の真実ではありますが、そのために入ってこない情報は明らかにあり、不利益を被っている可能性も否定できません。
海外生活なし、留学経験なしのままニューヨークタイムズの記者になったのが上乃久子氏(著書に『純ジャパニーズの迷わない英語勉強法』がある)。今回の記事では上乃氏の元上司で、現在はジャーナリストとして活躍するマーティン・ファクラー氏と、外国語を習得することの真の醍醐味と、英語を習得するための秘訣について語っていただきます。

前編記事:海外に行かずに外国語を習得した人の「習慣」

日本の新聞にがっかり?

上乃:ファクラーさんは、ずばり外国語をマスターする際に必要なものは何だと思いますか?

ファクラー:やっぱり、一定の時間を投資することかな。僕の経験で言うと、1つの言語の習得に必要なのは2年。

上乃:わっ、短い(笑)! 日本の場合、中学校から英語の勉強を始めて、大学に進学するとなると、10年間、英語を勉強します。それでも、できない人が多いのに……。

ファクラー:当然かなり集中して勉強したよ。中国語ができたから、漢字が読めるというアドバンテージもあったしね。日本語を勉強しはじめて9カ月くらいで新聞も読めるようになった。

上乃:新聞といえば、著書『世界が認めた「普通でない国」日本』では、日本のメディアは「55年体制」から抜け切れていないと指摘していますよね?

ファクラー:そうだね。僕が日本の新聞を読み始めたのは20年ほど前だけど、当時も今もその傾向は変わらない。

日本語が読めるようになって、さっそくある有力紙を買ったんだけど、いざ読み始めて、すごくがっかりした。

たとえば、日米貿易摩擦の記事には、通産省(当時)が発表したことしか書かれていない。一方で、アメリカの新聞は、日本の新聞が報じていないさまざまな分析を書いていた。日本の新聞報道は、どこも横並びというか一面的でしかない……。もちろん、外交政策や、時の政権に関しては、各紙それぞれの主張があるけど、霞が関の発表は、あからさまに同じ論調だよね。

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