クールビズ、女性に好印象なパンツ丈とは? この夏の新提案、足元"-5cmへの挑戦"
これまでのクールビズ、これからのクールビズ!?
小池百合子都知事が環境大臣時代に旗振り役となり、2005年に始まったクールビズ。9割の国民に認知されるようになった現在、ノータイ・ノージャケットが当たり前となり、2012年にはさらに一歩踏み込んだスーパークールビズが提唱された。ジャケパンはもちろん、ポロシャツやチノパンを活用したスマートカジュアルが容認されるオフィスも増えてきている。
とは言え、行き過ぎたカジュアル化が服装の乱れにつながるとの指摘があることも事実。これまでの吸水速乾や接触冷感といった機能性をもつ進化系スーツを利用して、見た目はきっちり真面目でスマートなのに、軽く涼しい着こなしを実現するこれからのテクニックとして、西武・そごうでは足元からのクールビズを提案。海外スナップの常連でもある洒落者たちの間では、クラシックなスーツスタイルが再注目されていることも見逃せないポイント。ジャケパンではなく、あえてスーツを爽やかに着こなすことが重要になりそうだ。
スーツの「細身化」により足元バランスが変化!
くるぶし丈のパンツが普及してきた要因の一つとして、若いビジネスマンを中心にスリムフィットスーツの需要が高まってきたことが挙げられる。くたびれたオジサンの象徴でもあったブカブカのスーツは、女性ウケが悪いばかりか、もはや仕事ができない男という印象すら与えてしまうようになったからだ。
同時に、スーパークールビズ元年となった2012年は、アメリカントラッド復権と重なっていたことも見逃せない。トム・ブラウンに代表される新世代デザイナーたちのスリムフィットスーツが注目されたことも追い風となった。ジャケットの肩幅やラペルはより幅が狭くなり、パンツは膝下から裾へかけてシュッと細くなるテーパードシルエットが定番に。従来の裾が靴に当たるワンクッションの裾丈ではなく、靴に当たらないノークッション=くるぶし丈がモダンで若々しい着こなしに欠かせない要因となった。
ビジネスシーンも-5cmへの挑戦でクールに!
スリム化に伴うテーパードシルエットによって、それまで女性物にしか見られなかったアンクルカット(くるぶし丈)パンツが、男性にも抵抗なく受け入れられるようになった。アスレジャーと呼ばれるスニーカーやスエットパンツといったスポーツアイテムを取り入れたカジュアルスタイルと融合したこともこれを後押ししている。こうした流れを応用したのが、「ビジネスでもくるぶし丈」というアイデア。
スーパークールビズが推奨されている職種や職場なら、すでに実践している読者も多いことだろう。ジャケパンやビズポロではなく、あえてきっちり真面目に見えるスーツを選び、くるぶし丈で着こなすことが効果的なのだ。ノータイによる体感温度の低下作用とともに、くるぶし丈がもたらす涼感は効果絶大で、見た目にもモダンでフレッシュに映るのだ。
やっぱりソックスが必要な場面ならどうする?
お座敷での会食や、大事なクライアントとの初ミーティング。スーツを着てはいるけれど、くるぶしは見えたまま…。素足で座敷に上がるのは気がひけるし、初対面のクライアントに足元のクールビズを認めてもらうのは少々ハードルが高い。そんな不安を覆すのが、カラーソックスという選択。くるぶしが見えるように裾丈を短くしたのだから、そこを強調するポップな色を持ってくることで新鮮に。
多くのインポートブランドやセレクトショップでも注目されているパステルカラーなら、ぐっと今季らしさも演出できる。黒・濃紺・チャコールグレーといった定番色もいいが、カラーソックスの方が鮮度を高め、若々しく見せてくれるから。ソックスの色をネクタイやチーフと同系色でまとめれば、逸脱しない大人の遊び心をアピールすることもできる。今までのクールビズはジャケットやシャツなどの上着ばかりに注目が集まっていたが、実は足元を少し変化させるだけで大きな違いが出るのだ。そんな「-5cmへの挑戦」が、一歩進んだ大人のクールビズを実現する。