「糖質制限」は一過性のブームで終わらない

すでに社会的な革命を起こしている

糖質制限食とは?(写真:xiangtao / PIXTA)
コンビニからファミレス、外食チェーンに食品メーカー等々、爆発的な拡大を見せる「糖質制限食」市場。2005年、日本で初めて糖質制限食を紹介した第一人者、医師・高雄病院理事長の江部康二氏はこのたび、『江部康二の糖質制限革命』を上梓した。現時点で確認されている糖質制限食の幅広い効果、誤解や疑問に対する回答をQ&A方式で解説、今後の展望についてまとめた同書について詳しく聞いた。

糖質制限食はブームではない、真実だから消えない

──長年、カロリー制限だけを頼りにダイエットを志してきた身には、天地が引っくり返りそうです。

ダイエットに関するカロリー制限説はもう古いし、理論的に根本から間違っており破綻してる。だから無意味。基本的に糖質摂取量だけ気にすればいい。糖質制限食の場合、腹いっぱい満足するまで食べても、自然に適切なカロリーになるという明確なエビデンスがある。悪者視されてきたバターや油は善だし、動物性脂肪が危険という常識も完全に覆された。カロリー制限で1日1200キロカロリーとかひもじい思いして、3度の食事で150グラム程度の軽めのご飯食べれば1日3回血糖値がハネ上がる。それを5年10年続けていいことがあるか。絶対にないやろ。カロリー制限食は糖尿病合併症製造食。

──本の題名を見た同僚に、「健康だの医学だの、ブームや学説がコロコロ変わって信用できない」とけげんな顔をされてしまいました。

過去の実績からそれは100%正しいね。紅茶キノコだバナナ健康法だリンゴダイエットだと、全部半年で消えていったでしょ。それがブーム。こないだテレビで管理栄養士の先生が、「糖質制限食ブームは10年も続いて気味が悪い」と言っていた。そこに大いなる真実があってね、つまり糖質制限食はブームじゃない、真実だから消えない、ってこと。

糖質制限食は生理学的事実に基づく、1つのムーブメントやな。だから糖尿病はもちろん、メタボや肥満、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、肝臓がん・大腸がん・乳がんなど生活習慣病型がん、心疾患、肺炎、脳血管疾患、花粉症からアルツハイマー病まで、いろんな病気の予防効果が期待できる。10~20年経たないとエビデンスは得られないけど、理論的には有効であることが極めて明らか。糖尿病治療に関しては、07年まで糖質制限食を全面否定し、カロリー制限食を推奨していた米国糖尿病学会が、13年10月にガイドラインにおいて正式認可したことで、議論に決着がついた。

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