任天堂は、変えることをどんどん変える

任天堂・岩田聡社長ロングインタビュー(下)

「娯楽を作る会社」ということは変わらない

――任天堂は何が変わって、何が変わらないのでしょうか。

任天堂が変わらないのはね、娯楽を作る会社ですということ。娯楽を通じてお客様に笑顔になっていただくために、いままでなかったものを作って、お客様に驚いてもらうために存在を許されている会社、というのは変わらない。

一方で世の中はどんどん変わっていくのに、「30年間続いた伝統を守る」とやっていくと、私たちは時代に合わなくなっていく。世の中のお客様の行動はどんどん変わっていくわけです。たとえば従来、ソフトウエアはほとんどがパッケージとして、形あるものとして店に箱を置いて売られるのが中心だった。

しかし、「とびだせ どうぶつの森」の販売は約4分の1がデジタル。かつては考えられなかった量のソフトが、いまや任天堂のプラットフォームを通じてデジタルで売れる時代になってきた。そうなるとわれわれがやることは変わっていくと思うんです。

つい最近の事例ですけど、すれ違いmii広場という遊びがニンテンドー3DSの中にあるんですが、3DSを持って歩いていて、ほかの3DSを持った人とすれ違ったら、小さなゲームが遊べるようになってるんです。ただ、ずっと同じ遊びを何周もして飽きたというユーザーもおられるので、実はその遊びを拡張したんですね。遊びの拡張は追加コンテンツ型といって、中に4つゲームが追加されて、そのゲームは1本500円で買うことができる。4つ全部買うと1500円で3本分の値段なんですが。

このゲームを拡張して1カ月くらい経つんですけど、マスの宣伝は一切していないんです。HPには書いてあるし、お客様が本体を更新するとその機能が入って、遊んでいるうちにその存在に気付くようになっているんですが、テレビCMなどはまったくしていない。

しかし、その状態で、相当量まとまったお客様がこれにおカネを出していただいて、さらにその人たちが遊んだら面白かったよと、ツイッター(Twitter)等で発信していただいたんだす。そのおかげで、面白いなら自分も試してみようとどんどんお客様の輪が広がって、約1カ月で4億円強も売り上げたんです。

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