森友問題、自民党が証人喚問を決めた舞台裏

実は官邸がパワーダウンしている

「これは放っておけない」「総理に対する侮辱だ」――。動いたのは自民党だった。同党の竹下亘国対委員長は16日夕方、民進党の山井和則国対委員長に電話をかけ、籠池氏の証人喚問を提案した。もともと民進党は籠池氏の参考人招致を求めていたが、自民党と公明党が消極的だったために実現しなかった。証人喚問は証言の拒否や偽証などを行うと、刑罰が科せられるという厳しい縛りがある。党内でプロジェクトチームを結成して森友問題に取り組んできた民進党にとっては、またとない好機が転がり込んできたわけだ。

この経緯を見る限り、ありもしない寄付をでっち上げられた安倍首相の名誉を守るために、自民党は証人喚問を開こうとしているようにもみえる。しかし、実は同日お昼過ぎ、自民党本部で大阪府議会議員団が二階俊博幹事長に要望書を渡している。

「なんで自民党は籠池問題をやらへんのや!」

その内容は、2015年に住民投票によって否決された大阪都構想の法定協議会の再設置に党一丸で反対し、公明党にも反対を働きかけてほしいとの要請だった。

この要請と同時に府議会で籠池氏の招致を行いたい旨を伝えたところ、二階氏は黙諾したという。

「もう大阪では、『なんで自民党は籠池問題をやらへんのや!』と批判でいっぱいです。このままでは次の選挙にも影響しかねません」(大阪府連関係者)

一般的に森友問題は「昭恵夫人案件」と見なされているが、大阪ではもっぱら「維新案件」と見なされている。府議会では野党であり、大阪維新の会と対立する自民党大阪府議会議員団にとって、森友問題は是非とも議会で取り上げて解明したい問題なのである。

ただ官邸は橋下徹氏や松井一郎大阪府知事など大阪維新の会と極めて近いため、自民党大阪府連としてはこれまで動きにくかった側面もある。参考人招致についても、一度は籠池氏に逃げられたものの、今回は百条委員会設置も含めて対応するつもりだという。

つまり、証人喚問を決めた背景には自民党大阪府議会議員団の圧力もあった。今の官邸にはそれをはねのける力はなかった。それだけ官邸はパワーダウンしているのだ。

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