就活生の親が押さえるべき4つのポイント おカネからスケジュール、自己理解まで

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同じく就職白書2017によると、2017年卒生が就活にかけた費用の総額は、平均で17万0960円でした。

費目別に見ると、交通費が約5万円、被服費が約4万円。昼食代や待ち時間を過ごすカフェ代などを含む飲食費は約1万5000円となっています。就活中はアルバイトを減らす人も多く、中盤戦あたりから、費用の工面が就活の悩みの1つに浮上するようです。

ここまで述べてきたとおり、2018年卒の就活は、企業との接点そのものがかなり豊富にある環境です。その一方で、スケジュールは短期決戦型の傾向が一段と強まっており、学生にとっては、限られた時間をいかに有効に使うかが重要になります。   

時間を有効に使える人とそうでない人とでは何が異なるのでしょうか。もちろん生来の器用さや人脈の多さ、行動力やコミュニケーション能力、積極性や主体性など、さまざまな要素があるでしょう。しかしたった1つだけ選ぶなら、「自己理解」を挙げたいと思います。

ポイント4:今、親にできる支援は?

就活において最も大事なのは、その本来の目的である、自分がイキイキと働き続けられる仕事や職場を見つけることにほかなりません。つまり、その企業や仕事が自分に合いそうかどうか、その判断がつくことが極めて大切なのです。

ある人にとって最適な仕事や職場が、自分にとっても最適であるとは限らないし、所属ゼミの先輩たちが多く活躍している業界だからといって、自分も間違いなく活躍できる、というものでもありません。

ところが、人生経験豊富な親たちには自明なことも、渦中の就活生たちには意外と盲点になっているもの。周りの評価の高い会社だから、待遇がよい業界だと聞いたから、という理由で興味をもった会社に、ややもするとトントン拍子で決まってしまうような今の就職環境です。

だからこそ、小さい頃からずっと本人を間近で見てきた親には、それぞれの学生の皆さんが「らしさ」を再認識し、それを基軸にした将来の選択ができるよう、サポートしていただきたいと思います。

岡崎 仁美 リクルートキャリア 就職みらい研究所所長

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おかざき ひとみ / Hitomi Okazaki

1993年(株)リクルートに新卒入社。以来一貫して人材関連事業に従事。転職情報誌『B-ing関東版』副編集長、転職サイト『リクナビNEXT』編集長、『リクナビ』編集長を歴任。2013年3月、就職みらい研究所を設立し所長に就任。現在、内閣官房「地方大学の振興及び若者雇用等に関する有識者会議」「地方創生インターンシップ推進会議」、文部科学省「インターンシップ推進方策実行ワーキンググループ」等の委員を務めている。

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