読売新聞「OTEKOMACHI」は何がスゴイのか 読売新聞が進めるデジタルシフトとは?

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――「OTEKOMACHI」では、どのような広告戦略をお考えですか?

旧「大手小町」は、すでに18年近く運営してきていますが、2017年4月より、まったく違った見た目に生まれ変わります。スマートフォンファーストのデザインを取り入れ、デジタルマガジンに近いものを作ろうとしています。ターゲット層である、働く30代女性の生活に馴染み、受け入れてもらえるサイトにすることを考えています。

私は1年前まで、中央公論新社で総合月刊誌『中央公論』の編集長をしていたのですが、新聞を毎日作ることと、雑誌を作ることはまったく違います。新聞はニュースがメインのためコンテンツのテーマを事前に作り込むことはできません。ですが、雑誌の場合はある程度早くから、特集テーマを決めて作り込むことができます。

クライアントに引っ張られないで紙面を作っていくのが新聞の魅力。雑誌は、クライアントをより意識した誌面づくりになります。新しい「OTEKOMACHI」では、2〜3カ月先までのテーマを決め、クライアントの皆様にもお示ししていきます。ローンチは4月の予定ですが、すでにクライアントも数社決まっています。

新聞社という特性を活かして

――「OTEKOMACHI」では、ネイティブ広告も実施されるようですね。

ニューヨーク・タイムズの広告制作チーム「T-ブランドスタジオ」のような専門組織を広告局内に設けました。「クリエイティブチーム」と呼んでいます。このチームが中心となり、ネイティブ広告を制作していきます。

このチームの体制は、いまのところ記者出身のライター2名と新聞広告のデザイナー2名、さらに、編集局次長も務めた新聞編集の専門家1名です。新聞社という特性を活かし、元新聞記者をライターとして採用した、レベルの高いネイティブアドを展開できることが差別化になると思っています。

――「大手小町」の人気コーナー「発言小町」はどうなるのでしょう?

新営業体制の仕組みについて語る安部氏

「発言小町」は、従来の特徴を踏襲して、少しだけ新しい要素を入れるだけに止めようと思っています。なぜなら、CGM(Consumer Generated Media)の要素が強い、ユーザーが自由に発言できる「発言小町」はその分、広告の入りにくい特徴があります。そのため、新しい「OTEKOMACHI」へのトラフィック流入元として、割り切ろうと思っています。

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