「電球」の奥深さをどこまで知っていますか この蘊蓄100章は思わず人に話したくなる

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61. しかし技術の進歩は著しく、白熱電球、蛍光灯時代を経た現在、「LED電球」が世界の主流になりつつある

62. 「LED」とは発光ダイオード(Light Emitting Diode)の略で、電気を流すと発光する半導体の一種だ

63. 1906年、英国のヘンリー・ジョセフ・ラウンドは炭素ケイ素の塊に電流を流すと黄色く発光することを発見

64. 1960年、半導体レーザーの実験に成功した米国のニック・ホロニアックはそのとき半導体が赤くなるのを発見

65. それをもとにホロニアックは赤色LEDを試作するが、発光効率が0.01%に過ぎないという微弱なものだった

66. それを改良し高輝度赤色LEDを開発したのは東北大教授・西澤潤一で70年代までに赤・黄・橙・黄緑が誕生

67. しかしLEDで白色あるいはフルカラーを発光させるためには青色LEDが必要だった

68. 1985年、名古屋大学教授だった赤崎勇と教え子の天野浩は青色LEDに必要な窒化ガリウムの単結晶化に成功

69. 彼らの研究を元に1993年、日亜化学工業の研究員だった中村修二が高精度青色LEDの量産技術を開発する

青色LEDの開発によって一般照明用としての利用が拡大

70. 青色LEDの開発によって1996年には白色LEDが誕生し、表示用から一般照明用としての利用が拡大していく

71. LED電球は、白熱電球に比べて環境にやさしく省エネな上、高い発光効率と長寿命などのメリットが大きい

72. そこで日本政府は2008年、国内大手家電メーカーに対し2012年までに白熱電球の製造中止を通達した

73. それゆえ現在では家電量販店の照明コーナーの多くがLED電球をはじめとする省エネ光源中心になっている

74. 電球が大活躍する場といえば、毎年冬季を中心に各地で開催されるイルミネーションイベントだ

75. 日本で初めて大通りを電飾で飾ったのが、1981年にスタートした「さっぽろホワイトイルミネーション」

表参道イルミネーション 2011(撮影:梅谷秀司)

76. その後、「SENDAI光のページェント」や「高松冬のまつり」「表参道イルミネーション」など全国に普及する

77. 当時光源には豆電球やムギ球が使用されていたが、球切れが多く、発熱が樹木に悪影響を与える懸念もあった

78. しかし2000年代に入ると青色や白色など高出力のLEDが安価になり、環境・コストの問題をクリア

79. 2016-17年のイベントではハウステンボスが1300万球、よみうりランドが500万球のLEDを使用している

80. 一方、自宅で照明を楽しむためには各電球のメリット、デメリットを知っておきたい。

次ページ各電球のメリット、デメリット
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