日本マクドナルド 新報酬制度導入は店長の不満相次ぎ頓挫

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日本マクドナルド 新報酬制度導入は店長の不満相次ぎ頓挫

日本マクドナルドが8月1日より直営店店長とエリア営業管理職に導入予定だった新報酬制度の導入を見直していることが23日、わかった。管理職に見合った処遇や報酬を得られない「名ばかり店長」が社会問題化し、企業の信頼を回復するという観点から5月20日に導入を発表していたが、双方の主張が折り合わず早々に頓挫した格好だ。
 
 従来の制度は基本給と成果給、職務給からなるが、新しい制度では職務給を残業代に置き換えるとしていた。ただ、原田永幸CEOは人件費の総額は変えないと表明していたため、6月2日に東京のホテルで店長約500名を集めて行われた新人事制度の説明会では店長から「現在高い評価の店長の給与が残業代に置き換わることで引き下がるのでは」「残業することで評価が下がるのでは」といった質問が相次いだ。会社側は「店長の年収が下がることはない」と説明したが、質問に立った店長が「そんなはずはない」と食い下がる場面もあったという。
 
 6月4日に行われた大阪の説明会では新人事制度の概略を説明するにとどまり、6月5日に予定していた岡山と福岡の説明会は開催自体が見送りとなった。会社側は「もう一度社員とのコミュニケーションを図りながら、良い制度を作っていく」と話しているが、「店長の処遇に不満を持っているのは一部の社員だけではない。想定以上の拒否反応に会社は窮したのでは」(出席した店長)という見方もあり、一定額の人件費増加は避けられない情勢だ。「東洋経済オンライン」では、通期業績予想は今後の情勢が明らかとなり次第修正を行う。
【山本 亜由子記者】


《東洋経済・最新業績予想》
(百万円)    売 上  営業利益 経常利益  当期利益
連本2007.12  395,061 16,733 15,616 7,819
連本2008.12予 412,000 19,500 17,500 11,500
連本2009.12予 432,600 22,300 20,400 11,700
連中2007.06  192,718 7,069 6,782 3,161
連中2008.06予 201,000 8,000 7,300 5,500
-----------------------------------------------------------
         1株益¥ 1株配¥
連本2007.12  58.8 30 
連本2008.12予 86.5 30 
連本2009.12予 88.0 30 
連中2007.06  23.8 0 
連中2008.06予 41.4 0 

(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部

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