「ネガティブ思考」を断ち切る3つのステップ まずは受け入れることから始めよう

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ネガティブ思考をやめるための最初のステップには、少し驚かされる。それは、ネガティブ思考を「やめようとしないこと」。昇進を逃したことや、大統領選挙の結果などをくよくよと考えているとしても、「このことを考えるのはやめよう」とは自分に言い聞かせないことだ。

「自分の思考をコントロールしようとすると、心配や悩みはより深くなる」とベックは言う。

その代わりに、自分はネガティブなサイクルに入っているということに気づき、それを認めよう。自分に向かってこう言うのだ。「私は良くなかった評価にこだわっている」「私は選挙の結果にこだわっている」。

自分のネガティブなサイクルに気づき、それを受け入れることで、ネガティブ思考を鎮める方向に向かうことができる。「受け入れること」は、ストレス低減の手法であるマインドフルネス瞑想(めいそう)法の基本だ。マインドフルネスの効果を活用するには、毎日目を閉じて瞑想する必要はない。自分の思考に気づくよう、自分を促すのだ。その際に、すぐにその思考を変えようとしたり、批判的になったりしてはいけない。

ネガティブな思考を受け入れると、その重さを減らすこともできる。心配している自分に怒ったり、心配はやめろと自分に言い聞かせたりすると、ネガティブな炎がよけいに燃え盛るだけだ。

友人へのアドバイスのつもりで考える

ネガティブ思考を受け入れたら、次はそれに挑む。

仕事での行き詰まりの例に戻ろう。昇進できなかったことで、あなたはおそらく自分の全般的な能力を不安に思い、自分を非難していることだろう。ここで、自分にこう問いかけよう。「一度失敗したからといって、なぜ実力がないということになるのか」。あるいは、こう尋ねてもよい。「私が本当はとても実力があると示せた仕事は、何だっただろうか」。

ネガティブ思考に挑むのが難しかったら、次の方法を試してみよう。あなたではなく、あなたの友人にその悪い出来事が起こったと想像する。あなたは友人にどんなアドバイスをするだろうか。では、そのアドバイスを自分に言ってみたとしたら、どうだろうか。

こうした方法はソクラテス式問答法として知られるが、オハイオ州立大学で行われた研究では、これを行うと大人のうつ症状を減らせることが示された。この研究では55人の成人が16週間の認知行動療法に取り組んだ。研究者らは治療の様子を写した映像を研究し、セラピストがソクラテス式問答法を用いれば用いるほど、うつ症状が減少することを発見した。ソクラテス式問答法により、患者は自分のネガティブ思考の妥当性を検証でき、より現実的で幅広い視点を獲得できたのだと、研究者らは論じた。

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