無理な株価の「ツケ」はまとめて払わされる

大発会の大幅高で麻痺した投資家の心理

4日の大発会の大幅高に水を差すつもりはない。だがいつのまにか、今の株価を正当化する心理が働いている(撮影:尾形文繁)

大発会の大幅高で投資家に働く「正当化の心理」

今年の日本株は、大発会の大幅上昇から始まった。この日の株高の理由としては、前日3日の米ISM製造業指数が、11月の53.2から12月は54.7に大幅上昇したことがあげられる。この指数の上昇で米景気に対する強気な見方が広がり、米株価や米ドル相場が強い展開をみせた。

ただ、こうした理由があるとしても、4日の日経平均の上昇率(前日比2.5%)は大幅であった。2016年初来の最高値を更新しただけではなく、物色をみても値上がり銘柄数が1851と東証1部全体の9割を超え、全面高の様相であったことを踏まえても、過熱気味、はしゃぎ過ぎであったと感じられる。

裏付けが薄い株価上昇が生じると、投資家や専門家の相場に対する皮膚感覚が歪められる。現実として株価が上がっているので、それを無理な理由を付けてでも正当化しようという心理が働くからだ(大発会だけではなく、いわゆる「トランプ相場」全般にこうした色合いが濃い)。

これまでの相場は、米株高、米ドル高・円安と、それに並行した日経平均の上昇という形で、三位一体感があった。ところが、米国株は上値が重く、近くて遠い2万ドル台乗せがなかなか成就しないとはいうものの、まだ株価が強調気味だと言えるが、米ドル相場は118円台に乗せても落ちる、という推移を続け、先週は一時115円前半に押すなど、変調を示し始めている。

こうした為替相場の、米ドルの反落、円高への踏み出しに対し、大発会翌日からの日本株の下げ幅は極めて限定的だ。そのため「円高への日本株の抵抗力が強まっており、株式市況の堅調さが表れている」「今年最初の週は、日経平均の騰落は1勝2敗と負け越しだが、騰落幅を考えると上昇分が上回っており、日本株の腰は極めて強い」「1月6日(金)の日経平均は前日比66円下落したが、ファーストリテイリング株1つだけで110円幅押し下げており、それを除けば日経平均は上昇したと言え、株価全般は堅調だ」と、「強い」「堅調」とのコメントのオンパレードだ。

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