仕事で勝つには「インプット優先」をやめよう

「習ったことしか使えない」学校教育の弊害だ

たとえば、あるソフト開発会社の役員であるHさんは、部下のマネジャーに渡すための「プロジェクトマネジメントマニュアル」を持っていたが、それを新しいマネジャーに渡すのは新しいマネジャーの就任後、1カ月後と決めていた。「なぜすぐにマニュアルを渡さないのですか?」と聞くと、「最初に渡されてもろくに読まない。まずはやってみて、悩みが出てきたところでマニュアルを渡すとよく読まれ、役に立つ」と、答えた。

また、とある営業会社のトップ営業マンであるNさんは、「提案手法の刷新など、営業上で何か新しいことを試そう」と思ったとき、まずは自分でやってみて、それからうまくいかなかったときのみ、本などを参考にすると答えた。

フリーランスでゲームの開発を行なっているYさんは、「プログラミングスキルを上げるためには?」という質問に対し、「まずは何かソフトをつくること」と答えた。「本を買って勉強したり、学校に通ったりすることも悪くないが、それ以上にスキルを高めるのは、何かプロダクトをつくり上げるときだ」と、言い切る。

学校教育が悪影響を与えている

1年でTOEICを400点台から800点台まで高めた、ある大企業の経営企画のEさんは、「どう勉強したのか?」という質問に対し、「とりあえずTOEICを受けてみました。問題の内容や、回答の方法、試験の雰囲気などがわかったので、あとはTOEICの模試などを買って、受けまくりましたね。単語や文法などは、あとから覚えにくいところだけやりました」と言う。

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しかし、このような事例はごく一部であり、多くの人は「インプット」から始める。なぜ「インプット」から始める人が多いのだろうか。

その原因はおそらく、「学校の勉強」での体験にある。学校の勉強は一般的に「問題集をやらせて、そのあと、わからないところだけ教科書で」というスタイルではない。「教科書をしっかりやって、そのあとに問題集をやる」というスタイルだ。このスタイルが染みついているので、「インプットが先」というスタイルを採用してしまいがちになる。しかし、この方法にはデメリットも多い。具体的には、「習っていないのでできません」という言い訳が許されてしまうという状況が生まれる。

また、先に先に勉強してしまう子に対して、「小学校のテストで方程式を使ってはいけない。習っていない漢字を使ってはいけない」など、「習ったこと以外は使うな」という、不毛な制約が生まれることにもつながる。しかし、本来「きちんと習えること」など非常に少ない。仕事では習えないことの方がはるかに多い。

「習ったことがなく、勉強したこともないので、できません」という物言いは、仕事のなかでは許されないことも多い。だから、「仕事ができる人たち」は、「アウトプット中心」のスキルアップの仕方を身につけてきたのだろう。スキルアップのスピードを重要視するなら、「まずはアウトプットを中心に据えること」を意識すること。これを知っているかどうかは、けっこう重要な差なのではないだろうか。

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