ピレリ・カレンダーが追求する女性の美しさ それは「あるがままの姿」を受容しているかだ

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今年72歳になるとは信じられないほど若々しいリンドバーグは、「自分にとっての美を追究するためにある行動を起こしました」と言う。

ピレリ・カレンダー2017の発表会の席上で、「これからテスト・シューティング(本番撮影前の試し撮り)だと思っていたら、『オーケイ、撮れたよ』ってピーターが言うのでびっくりしました」と楽屋裏を披露してくれたのはニコール・キッドマンだ。

「そうそう」と大御所のヘレン・ミレンが話をひきとる。

「ピレリ・カレンダーって、私はいつも『いいなあ、かっこいいなあ、すてきだなあ』と思っていたんですよね。なのでお話をピーターからいただいたときには、『え、じゃあセクシーな衣裳で濡れたようなリップスティックで?』と、びっくりしつつ期待していました(笑)。でも、ピーターからは『自分を出してくれれば、それでいいんだよ』と言われたんです。裸じゃなくていいのかなって、まずピーターに尋ねたくらいで」(ミレン)

リンドバーグは「もしヘレンが裸でやって来たら、僕は『服を着てくださいよ』と頼んだでしょうね」と爆笑しながら応えた。

ニコール・キッドマン(49歳)の自然な美しさ ピレリ・カレンダー2017発表会の衝撃

"作られた美"ではなく、"女性の美"の最高峰を

「過度なメイクやレタッチを施して“作られた美”を表現するのでなく、自分にとっての“女性の美”の最高峰を表現したかったんです。ピレリ・カレンダーは今回で3回目の挑戦になりますが、この際、思うように撮らせてもらえないかと、ピレリのマルコ・トロンケッティ副会長に頼んだところ、快諾してもらえました」(リンドバーグ)

個人的に交友を深めてきたユマ・サーマンは、そんなリンドバーグの想いを具現化するために選ばれた一人だ。

「私たち女優は、壮大な背景や凝った舞台装置のなかで撮られることに慣れています。でも今回ピーターは、ものすごくシンプルに──ピーターの言葉を借りると『リアルに』撮影したいということでした。じつを言うと最初は怖かったんです。だって私たち女優はそういう撮影に慣れていませんから」(サーマン)

なんとも興味を惹かれる発言ではないか。記者会見と同日の夜には「ラ・シテ・デュ・シネマ」で盛大なガラディナーが開催された。「セーヌ河の上のハリウッド」を自称する大きな撮影スタジオはピレリ・カレンダー2017の一連のイベントをしめくくるのにふさわしい場所であった。そこにはシャーロット・ランプリング(英/1949年生まれ)も姿を見せた。自動車レースの最高峰F1やスーパースポーツカーのタイヤブランドとして知られるピレリ。高性能タイヤメーカーによるイベントだけに、その夜のディナーに集まったのも超豪華な面々であった。

(文:小川フミオ)

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