なぜ日本産MBAの「質」はこんなに低いのか

13年間早稲田で教えてきて悟ったこと

論文執筆を課していないビジネススクールは、学生たちを鍛えることを放棄している(写真:stuartjenner / PIXTA)
2016年、定年まで10年以上を残し、日本を代表するビジネススクールを退任した"現場力のカリスマ″遠藤功氏(新著に『結論を言おう、日本人にMBAはいらない』があります)。未来のビジネスリーダーを生み出そう、と奮闘してきた遠藤氏ですが、13年間の教員生活の結論はなんと「日本人にMBAはいらない」でした。
なぜ遠藤氏はそう考えるようになったのでしょうか? 本稿で語られるビジネススクールでの実体験、あまりに「お手軽」に卒業できてしまう「大学院」の制度を知れば、きっとあなたもMBAに対する見方が180度変わるかもしれません……。キャリアアップを狙う社会人、MBA取得を考えている人から企業派遣を行なう人事部の方まで、必読です。

「日本人にMBAがいらない」2つの理由

2016年、私は13年間教鞭を執り、責任者も務めた早稲田大学ビジネススクール(WBS)教授を退任した。この間、日本の次世代リーダーの育成に少しでも役立ちたいと思い、できることは懸命にやってきた。しかし大きな壁にぶつかり、限界を感じていた。そして2016年3月、定年まで10年以上を残し、私は大学を去った。いま私が感じている結論をひと言でいえば、「日本人にMBAはいらない」である。それは、次の2つの理由に集約できる。

① ほとんどの日本企業は、MBAの価値を認めていない

② 日本のMBAの「質」が低すぎる

この2つは言うまでもなく、表裏一体のものである。ビジネススクール側が一所懸命に「MBAは成功のためのパスポート」と宣伝しても、卒業生を受け入れる側の日本企業がその価値を認めていない。企業が価値を認めない理由は、ビジネススクールが生み出すMBAの「質」が、あまりにも低すぎるからである。

企業は営利活動を行なっているのだから、MBAが自社の発展・成長の役に立ち、企業価値の向上に寄与するなら、喜んで採用するだろう。しかし、それが期待できないから採用しないのだ。

私はWBS以外のいくつかの国内のビジネススクールで、非常勤講師として教えたことがある。名前は伏せるが、あるビジネススクールでの経験は、私にとって衝撃的な出来事だった。

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