東洋経済オンラインとは

~高品質、低コスト、短納期~
ゲーム開発ツールを活用しビジネスを変革。

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
高度な3D画像で描かれたテストコースを、無人のロボットが走行し、さまざまなデータを取得する――。一般的に、このようなシミュレーションができるシステムを利用するには、数百万円以上もの高額なコストがかかることも珍しくない。ところが、最近になって、これを十数万円程度と、きわめて安価で導入できる仕組みが登場し、注目を集めている。その秘密は、ゲーム開発ツールをビジネスに活用することだ。ゲーム開発ツールは、3Dバーチャルリアリティー技術を備えているため、美しいグラフィックスはもちろんのこと、機械や人物などの動きに合わせた表現が容易に実現できるのだ。各種シミュレーションのほか、住宅やアパレルなどでの顧客向けプレゼンテーション、さらには医療や教育などの分野でもこれを活用することで新たなサービスが生み出せそうだ。企業での導入事例も増えている。最先端の取り組みを取材した。

無人移動ロボット向けの自律車両の開発を目指す

静岡県磐田市に本社のある、ヤマハ発動機の「イノベーション研究部」は、その名のとおり、同社における将来に向けた技術開発を担う部門である。

さまざまなテーマの研究が行われているが、その一つに「無人移動ロボット」があるという。同研究部知的システムグループ主査の神谷剛志氏はその狙いを次のように語る。

ヤマハ発動機
技術本部 研究開発統括部
イノベーション研究部
知的システムグループ
主事 藤井北斗氏
ヤマハ発動機
技術本部 研究開発統括部
イノベーション研究部
知的システムグループ
主査 神谷剛志氏

「当社はすでに産業用無人ヘリコプターを発売しており、農業のほか災害観測などの分野で広く活用いただいています。この技術を背景に、無人観測船や自律型無人車両の研究も進めています。特に自律型無人車両の開発では、屋外で、人の代わりに危険な作業や複雑な作業を行うロボットを実現したいと考えています」

自律型とは、車両自身で障害物を検知して回避ルートを計算したり、姿勢や運動を制御したりすることを意味する。

同グループ主事の藤井北斗氏は「当社では、レーザーによるセンサー(距離計)を用いて、周りの障害物を認識する技術を研究しています。そのためには、実験も必要ですが、実環境でこれを行うのは簡単ではありません」と話す。

試作車の大きさはゴルフカートほどもある。これを富士山のふもとにあるテストコースに運ぶだけでも一苦労だ。テストには最低でも研究員3人が必要で、テストの前の準備やテスト後のデータ処理にも手間がかかる。

同グループ主事の平松裕二氏は「このため、センサーを利用した認識の実験をパソコンのシミュレーションでできないかと早くから考えていました」と振り返る。

ゲーム開発ツールを活用しバーチャルテスト環境を作る

ヤマハ発動機
技術本部 研究開発統括部
イノベーション研究部
知的システムグループ
主事 平松裕二氏

モノづくりの現場に限らず、パソコン上のシミュレーションでテストを行うことは珍しいことではない。用途ごとにさまざまな専用シミュレーションソフトも市販されている。

藤井氏は「ただし、私たちの目的である、レーザーセンサーのシミュレーションができるものはなく、機能を実現するためには、高額なオプションやカスタマイズが必要でした」と説明する。

平松氏はさらに、「金額もさることながら、欲しいものが手に入るまでに時間がかかるのもネックでした。仕様書を書いた3カ月後にようやくソフトができあがってくるというのでは話になりません」と加える。

Unity アセットストアではパーツデータが安価で大量に流通しており、これらをカスタマイズして使用すれば時間と費用が大幅に圧縮できる

課題解決の方法を探る中で、両氏が出会ったのが「Unity(ユニティ)」と呼ばれるツールだった。と言ってもUnityはシミュレーションソフトではない。米UnityTechnologiesが提供し、全世界で180万人以上の開発者が利用しているゲーム開発ツールである。「ゲームをつくるためのツールですから、3Dグラフィックス機能や、車両を動かすための物理エンジン機能、さらに当社独自のセンサーシミュレーションを可能にするプログラミング機能が備わっています。ソフト開発に必要なほとんどのメニューがあらかじめ用意されているので、実環境に近いシミュレーション環境を、自前で作ることができました」(藤井氏)というから驚く。

具体的には、テストコースの測量データをUnityに取り込み、バーチャルコースを作成。車両のコンピューターグラフィックスもUnityで描いている。レーザーセンサーの環境認識や、GPS、車両の運動モデルなどは、実環境で使っているノートパソコンの自作ソフトをそのままケーブルで接続しているという。「ゲーム開発ツールでありながら、タイヤと路面の摩擦係数や、障害物の大きさによる車両の動きの違いなどが忠実に再現されます。テストコースに行かなくても、主要な開発ができるようになりました」と藤井氏は喜びを語る。

Unityの導入でコア業務への注力が可能に

平松氏は「Unityの導入コストは15万円程度でした。専門のシミュレーションソフトだと数百万円ぐらいかかる計算だったので、その差は大きいですね。さらにUnityは手元で簡単にカスタマイズや機能拡張ができるため、やりたいことが素早く検証できます」と手応えを話す。

テストコースへ行かなくても、机上のPCで実環境に近いレーザーセンシングのシミュレートができる開発環境が整った

コースレイアウトの変更や、樹木や石などの障害物の増減も、マウス一つでできる。車両についても、機能の異なる複数の車両を走らせて比較検討するといったことも簡単にできる。

神谷氏は「Unityは、大きなコストと時間をかけなくても、トライ&エラーを経験できる点がいいですね。若い社員にも積極的に責任ある仕事を任せ、能力を開発するのが当社の社風です。Unityなど先進のツールを活用し、引き続き、イノベーティブな研究に挑戦していきます」と結んだ。

同社のようにプログラミングに詳しい研究員が多い企業はもちろんのこと、なじみがないという人でも、Unityなら、本格的で表現豊かな「バーチャル体験」の仕組みをわずかの期間で作成できる。さまざまな企業において、Unityを活用することで、社員のコア業務への注力が可能になるだろう。

迅速な経営戦略の実行や付加価値の高いサービスの提供を目指す企業にとって、Unityは注目に値するツールと言えそうだ。

 Unityで新たなビジネスモデルを創出してほしい

代表取締役会長
豊田 信夫

Unityはもともとゲーム開発ツールとして誕生しましたが、高品質、低コスト、短納期で3Dのバーチャルなソフトウエアが開発できることから、ビジネスの現場でも注目されつつあります。

たとえば、車両やロボットのシミュレーションのほか、工場やオフィスのレイアウトをバーチャルで確認できる仕組みなどを導入している企業もあります。Unityを使えば、マンションや戸建て住宅のモデルルームやモデルハウスをお客様が自宅にいながら体験するといったことも簡単にできるでしょう。もちろん、内装やインテリアの変更もボタン一つでできます。

AR(拡張現実)アプリを使い、自社の店舗や商品の上でキャラクターを動かすといったことも可能です。ファッションなどの小売業のほか、出版、広告、さらには教育、医療、福祉など、さまざまな業態で大きな可能性があります。

Unityという共通のプラットフォームの普及が進めば、パートナーとの協業や産学連携もさらに容易になりそうです。

大げさでなく、Unityを活用いただくことで、新たなビジネスモデルの創出が可能になると感じています。ぜひ、自社の競争力向上のために、Unityを導入いただきたいと願っています。

世界中のユーザーのノウハウが活用できる

日本担当部長
大前 広樹

私自身、ソフトウエア開発者としてUnityに出会い、日本のユーザーにも必ず支持されるツールだと感じました。実際に国内でも急速にユーザーが増えています。書店のパソコン関連書売り場では、Unityのガイドブックがいくつも売られています。ユーザーフォーラムでは2500人以上のコアなユーザーが活発に意見交換を行っています。

国内はもとより、世界中のユーザーの「知恵」を活用できるのもUnityの特長です。風景や建物のグラフィックなど、ソフト開発に必要なパーツもユーザーが制作したものが「アセットストア」で販売されており、ほとんどが低価格です。もちろん、ビジネスで活用できるパーツも数多く販売されています。

Unityには無料版もあり、それだけでも小規模なソフト開発に必要なほとんどの機能が網羅されています。まずはお気軽にダウンロードして使ってみてください。人によっては、使い始めて数時間で簡単なゲームができるほど、とても便利で、充実した機能がそろっています。

Unityは世界中のユーザーに育てられるものだと感じています。ビジネスの仕組みを変えるような、新しい発想のソフトやアプリをぜひ生み出してほしいですね。