子どもの模擬試験の結果に一喜一憂するパパやママは多い。もちろん私もその中のひとりである。でも、それはあまり意味のないことだ。そこで、これから模擬試験の価値最大化について考えてみたい。
模擬試験の結果、ここを見るべし
私たち親が模擬試験の結果を見たときにいちばん気になること。それは、点数と偏差値だ。でも、この2つは見方に気をつけないと、大きな勘違いにつながる原因になる可能性がある。
たとえば、ある模擬試験の算数で92点をとることができたとする。一見すばらしい結果に思えるが、平均点が88点であるならば、大してよい結果ではない。このタイプの試験は100点をとらなければ勝負にならない、ミスが許されないタイプの試験であるといえる。
一方で、国語が55点だったとする。でも、平均点が20点なのであれば、これはかなり優秀な結果だ。模擬試験を受験した母集団の中で図抜けた存在であるといえるだろう。
このように、大切なことは点数ではない。ライバル=競合と比較して、自分=自社が、どういう位置づけなのかということが重要なのである。模擬試験の問題には簡単なものも難しいものもある。だから、点数自体でよかった、悪かったということは判断できない。ライバルに勝つことができているのであればOK。負けているのであれば、勝てるように頑張ろうということだ。
大学受験についても同じことが言えそうだ。東京大学や京都大学の入試問題はそうとう難しい。その入試問題に合わせた東京大学型模擬試験や京都大学型模擬試験も同様に難しい。そして多くの場合、50%得点できれば、おおむね合格ラインを超える。模擬試験受験者全体の平均点は30~40%前後だ。日本の受験生の中でもかなり優秀なレベルの受験生が受験して、合格可能性が高い受験生でも50%しか得点できない。だから、問題の半分は解けないのである。でも、それで問題ない。合格できる。点数がよいかどうかは問題ない。ライバルに勝り、合格できる点数ならそれで十分なのである。
一方、偏差値の見方も気をつけなければならない。5月に受けた模擬試験の総合偏差値は76、6月に受けた模擬試験の偏差値は58。でも、東京大学合格可能性の判定は前者がC、後者がAだった。一見、不思議に思えるかもしれない。でも、こういう場合がいくらでも散見される。
なぜこのような事態が発生するのか。答えはこれだ。
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