女子御三家を猛追!豊島岡、脅威の「集団力」
豊島岡女子学園 竹鼻志乃校長に聞く

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燃え尽き症候群を再点火、それが豊島岡流!

――ここ数年で急激に存在感を増してきました。かつては、女子御三家との差はかなりあったと思います。

確かに10年くらい前は、東大合格者も非常に少なく、御三家の背中は遠かった気がします。大きな転機は1989年の受験日変更でしょう。中学受験は2月1日が天王山です。御三家の受験もその日に集中しています。かつて豊島岡も1日が受験日でしたが、それを2日にシフトしたんです。そうやって御三家を受験する生徒たちに、「まずは滑り止め」として豊島岡を受けてもらうようにしました。

――なるほど、そうすると優秀な生徒が受験してくれるようになりますね。でも、そういう生徒に限って、「私は御三家に入れたのに……」と「燃え尽き症候群」になってしまうのではないでしょうか。

そういう「燃え尽き症候群」を再点火させるのが豊島岡流です。入学するまでは、勉強だけが彼女たちにとっての評価基準でしたが、まずはそれを変えなければなりません。豊島岡は48の部活動があり、全員参加です。中には中1から高3まで一緒に活動する部活もあります。そうやって先輩と後輩の関係も築くこともできるし、先輩から多くのことを教えてもらい、高3になれば下級生に教えていく。もちろん、勉強面もきっちりやってもらいますけどね(笑)

豊島岡生の通過儀礼、「月例テスト」とは?

――進学実績が好調なのは何か要因があるのでしょうか。

勉強面での面倒見のよさは屈指だと思いますよ。勉強面では「月例テスト」というものがあって、英単語、漢字、計算問題の3種類のテストが毎月あります。生徒からしたら毎週何らかの月例テストがあることになりますが、このテストに不合格だった場合、朝、早く来て、合格するまで追試を受けてもらいます。部活動の朝練にも参加できません。

――厳しい気もしますけど、裏返して言えば、すごい面倒見のよさですね。

そうですか? 逆に面倒見のよくない私立なんてあるんですか? きちんと生徒の面倒を見ることができるのが私立のよさでしょう。とにかく授業の様子を見てもらったほうが早いですね。

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