英語でプレゼンするには? ビジネスパーソンの英語学習法(その6)

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理由と具体例を述べる

ここでは、自分の主張をサポートするための理由や具体例を提示します。ひとつだけだと説得力が弱いので、2つ以上の理由を用意したいものです。Firstly, 〜 because …、Secondly, 〜 because …などの適切な表現を使って、理由を上手に列挙できるようにしましょう。

また理由を言いっぱなしにするのではなく、それに対応する具体例を挙げると、さらに説得力が増します。これには、For example,という表現が使えます。

結論で締めくくる

最後に再び自分の主張を結論として持ってきて締めくくります。くれぐれも最初に言ったことと、最後の結論が正反対のものになったりしないようにしてください。So in conclusion,という出だしで始めると明快でしょう。

以上が回答の流れです。論理的にわかりやすく伝えるためには、複雑な構文や難解な単語を使うのは、避けたほうが無難です。私たちはノンネイティブスピーカーですから、まずは汎用性の高い、中学英語的な構文で充分です。

また、ノンネイティブが早口で話しすぎると、発音やイントネーションが乱れて、とてもわかりにくい英語になってしまいます。ネイティブ気取りの早口トークを目指すのではなく、ゆっくりと丁寧に、相手が聞き取りやすい英語を話すよう心掛けてください。

毎日の学習法としては、とにかく論理的に話す訓練を行いましょう。最近、ニュースで話題になっていることなど、テーマは自由に選んでください。それを題材に、冒頭で意見表明を行い、理由と具体例(できれば2つずつ)を挙げてから、最後に結論を述べるという60秒スピーチをどんどんこなしていってください。

英語が出てこないのであれば、最初は日本語で言って、その後に英語でやってみるというのでも大丈夫です。また、スピーチ用の英文原稿を用意してもいいでしょう。ただし最終的には、何も用意せずに、英語でスピーチできることを目指してください。

以上が、スピーキングテストを利用した、ビジネスパーソンの英語学習法の紹介です。テストに向けた学習をすることで、ビジネスでの英語のスピーキング力がアップするようになるわけですから、「仕事で英語が必要」と思う読者にこそ、今すぐ初めていただきたいです。

そして、スピーキングテストもなるべく早く受験してみてください。マークシートを塗りつぶすLRテストにはない楽しさが実感できて、学習意欲もぐんと湧くと思います。

さて、次回からは私が、日本の英語教育をよい方向に牽引している著名な方々に会いにいき、日本の英語教育をどうすれ変革できるかというお話を伺うインタビューの第1弾をお届けしたいと思います。1人目のゲストは、スピーキングの達人のあの方です。熱いお話を伺ってきましたので、お楽しみに。

安河内 哲也 東進ハイスクール・東進ビジネススクール講師

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やすこうち・てつや / Tetsuya Yasukochi

1967年福岡県生まれ。上智大学卒。予備校講師、教育関連機関での講演などで実用英語教育普及に従事。著書に『子どもの英語力がグンと伸びる最強の学習』(扶桑社BOOKS)など。

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