選挙制度改革"0増5減"より大きな対立

混合制度の意図せぬ効果、いいとこ取りの難しさ

多数制と比例制、組み合わせることの狙いは?

著者:砂原庸介(政治学者、大阪市立大学准教授) 撮影:今井康一

各地の高等裁判所で、「一票の格差」をめぐる違憲判決が続く中、「0増5減」と呼ばれる小選挙区部分における変更については4月19日に連立与党が委員会採決を行った。

一方、野田内閣解散時の約束である、比例代表部分を焦点とした国会議員の定数削減についての議論がまとまる兆しはなく、特に、小選挙区で議席を得るのが難しい少数政党は、比例代表部分の定数削減に反発を強めている。

その反発に対する自民党からの提案が、比例代表部分を180から150に減らした上で2つにわけ、60議席分は第2位以下の政党に優先的に配分するという案だ。

優先枠によって比例第1党と第2党が逆転してしまう場合の調整など詳細は不明だが、この提案は小選挙区部分で大政党に議席が偏るのを、比例代表部分で少しでも是正しようという発想に基づいている。

このように多数制と比例制を組み合わせる混合制度は、それぞれの選挙制度の良い点を活用し、悪い点を是正することを狙って、近年多くの国で導入されている。両者を組み合わせることで期待されるのは、小選挙区部分で大政党に議席が偏るのを比例代表部分で是正することだけではない。

もうひとつ重要なのは、選出基準の併用による、制度同士の補完だ。小選挙区部分では、選挙区固有の事情に各候補者が配慮し、比例代表部分では、さまざまな業界団体や、小選挙区でカバーしにくい少数派集団などの利益を、各政党が党の姿勢に則って重視する、というのである。

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