給料・大格差時代 賃上げ狂騒曲を尻目に給与の二極化が進む

拡大
縮小

1990年代後半に崩れ始めたとされる、日本の大企業における年功序列の給与体系。リーマンンショックや大震災を経て、その解体はさらに加速している。かつて多くの日本企業では、正社員であれば定期昇給とベースアップで毎年着実に給与が上がった。これが完全に過去のものとなりつつある(図1)。

春闘では安倍晋三首相からの異例の要請もあり、「賃上げ相次ぐ」と報じられたが、その中身を見ると一時金での対応ばかりで、本来的な賃上げであるベアの獲得はごく少数だった。「賞与の満額回答なんて(労働組合員への)『お布施』みたいなもの。退職金や残業代の底上げにもならない。ベア獲得こそが『賃上げ』だ(図2)」と日本賃金研究センターの藤田征夫主席コンサルタントは語る。

次ページ日本の平均賃金は10年以上にわたって下落
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT