米国産牛の規制緩和で、牛丼は安くなる? 穀物高と円安で想定ほどは仕入れ価格が下がらない
供給量は増えても、仕入れ価格が下がらない──。
10年ぶりに米国産牛肉の輸入規制が大幅に緩和された。従来、月齢20カ月以下までだったものが、30カ月以下の米国産牛肉の輸入が可能になった。3月中旬からスーパーの店頭に商品が並び始め、外食チェーンにもサンプルが届き始めている。
牛丼などに使われるバラ肉(ショートプレート)の価格は2012年5月に1キログラム当たり951円の高値をつけたが、今年3月には規制緩和への期待から600円程度に低下した。ただ「期待される500円前後に下がる気配がない」(食肉輸入業者)。関係者の間では早くも「味がよくなっても、価格が下がらない」と落胆ムードが漂い始めている。
09年に牛めし並盛りを値下げし、低価格戦争の戦端を開いた松屋フーズ。12年は原材料のバラ肉の価格が2~3割上昇し、期間限定値引きを見送った。13年は輸入規制緩和を受け価格下落を期待したが「為替で吹き飛んだ」(松屋フーズ・鈴木治夫専務)。
ダイエーは3月7日から4日間フェアを行い、通常価格の3~5割引きで米国産牛肉を販売。売上高は前年同期比2倍となった。ただ30カ月以下の商品は米国産牛肉の約3割で、商品の仕入れ価格も安くなったわけではない。4月中に全品30カ月以下に切り替える方針だが、「米国産牛肉の取り扱いを今後、拡大するかは未定」(同社)と慎重だ。イオンは豪州産牛肉中心路線を続け、規制緩和後も米国産には距離を置いたままだ。
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