ベンツが「若年層」を攻略するために選んだ道 インフルエンサーとの協業に邁進中

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キング氏は、メルセデス・ベンツがフォロワーの生活をより良いものにし、普通なら決して行かない場所にも行けることをクリエイティブで伝えたうえで、商品のクルマについての詳細を見せるべきだという。

たとえば、フォロワーが関心をもっている人々の発言や動画を用いて、旅行に行くストーリーを制作し、動画の後半で彼らが乗るクルマの詳細な情報を紹介することが出来ればクールだろうと語る。

実際の効果は出ている模様

それでも、デジタルマーケティング会社アモビーによると、1月から現在までの期間、デジタルコンテンツのエンゲージメントにおいて、メルセデス・ベンツは、アウディより72%、BMWより97%高い、インスタグラムとの関連性を示したという。つまり、人々はかなりの頻度で、メルセデス・ベンツとインスタグラムの両方を言及している記事や投稿などのコンテンツを読んでいるということだ。たとえば、そのコンテンツはインスタグラムインフルエンサーによるメルセデス・ベンツをフィーチャーした画像かもしれない。

自動車マーケティング会社ジャンプスタートが2016年6月に発表した調査では、メルセデス・ベンツは高級車購買層において全体の関心の13%占有しており、高級車ブランド部門で第2位にランクされている。2015年上期と比較して24%の上昇だ。1位はBMWで、6月の時点で高級車購買層の関心の15%を占有しているが、2015年上期と比較すると7%下落している。

ジャンプスタートで戦略インサイト・分析部門バイスプレジデントを務めるリビー・ムラド=パテル氏は、「現在、メルセデス・ベンツは全セグメントにわたって好業績をあげている。なかでもSUVとCUVが好調だ。我々の調査から、メルセデス・ベンツ購入者の41%が、これら2つのカテゴリーに強い関心をもっていることがわかった」と述べている。

インフルエンサーに金をかけすぎたと考えるマーケターもいるが、メルセデス・ベンツは今後も継続して「インフルエンサーのオーディエンスによって、ブランドの製品を認知してもらう」つもりだと、エイクマン氏は語る。

さらに同氏は、次のように言葉を続けた。「我々との協働を望み、我々の製品と一緒に自分たちの冒険を共有したいというインフルエンサーを見つけようとしている。メルセデス・ベンツは、その製品とともに語られ、大半のケースにおいてインフルエンサーの視点から語られる、ユーザーの本物のストーリーに常に目を向けている」。

Image from Mercedes-Benz
Yuyu Chen (原文 / 訳:ガリレオ)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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